ちくま新書
青木昌彦の経済学入門―制度論の地平を拡げる

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  • サイズ 新書判/ページ数 238,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480067531
  • NDC分類 331
  • Cコード C0233

内容説明

ひとつの社会を支える「制度」とは何なのか?人間社会がゲームだとするならば、その均衡はいかに可能なのか?―著者は、制度論、組織論、経済発展論など多岐にわたる領域で世界的な業績をあげ、20世紀の経済学を主導した研究者のひとりである。研ぎ澄まされた理論による斬新な研究アプローチは、経済学を超えて社会科学全般に多大な影響を及ぼした。その知性の全体像を一望し、制度論の考え方をわかりやすく解説する。

目次

第1章 経済学をどう学ぶか(私自身、こう経済を学んできた(聞き手 岡崎哲二)
経済学を学ぶ心構え―京都大学経済学部の学生諸君に招かれて)
第2章 制度分析の考え方(制度分析入門―そして日本の今をどう捉えるか;制度のシュンペーター的革新と革新の制度;青木先生、制度ってなんですか?)
第3章 制度分析の応用―日本と中国の来し方・行く末(伝統的な経済成長モデルの限界をみつめよ―呉敬〓(れん)教授との対話
雁行形態パラダイム・バーション2.0―日本、中国、韓国の人口・経済・制度の比較と連結
中国と日本における制度進化の源泉
福島原発事故から学ぶ―望まれる電力産業の改革と革新)
第4章 制度論の拡がる地平(制度論の拡がる地平―政策、認知、法、文化的予想、歴史をめぐって;資本主義はどうなるか―ミルトン・フリードマンとの対話;先進都市化と卓越したチーム力を競おう―2020年東京オリンピックに向けて)

著者等紹介

青木昌彦[アオキマサヒコ]
1938年生まれ。東京大学経済学部卒業。ミネソタ大学Ph.D.。ハーバード大学助教授、京都大学教授などを経て、スタンフォード大学教授。現在、同大学名誉教授のほか京都大学名誉教授。2008~11年までIEA(国際経済学連合)の会長を務めた。主な著書に『現代の企業』(岩波書店、日本学士院賞、サントリー学芸賞受賞)、『比較制度分析に向けて』(瀧澤弘和・谷口和弘訳、NTT出版、国際シュンペーター賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

原玉幸子

21
ゲーム理論とナッシュ均衡は感覚的に分かりますが「『日本の変化の30年』は自民党の一党独裁の終わりが切っ掛け」との著者の論説は「切り口」が違う気がします。漠とした国家発展の産業モデルがあり、時間差とグローバリゼーションが組み合わさって複雑化した現代の金融資本主義の行き過ぎが問題であって、学問的には制度云々でなく発展モデルから思考すればいいのでは。日本は今や「移民受入を含む人口増を施策に、1次産業を充実させて食料自給率を拡充すべき」なので、農業保護政策一辺倒の与党自体が強烈な皮肉でしょう。(◎2022年・秋)2022/09/12

Francis

15
3年ぶりの再々読。ようやく青木先生の理論の内容がつかめた気がする。アセモグル&ロビンソン「国家はなぜ衰退するか」への反論、ミルトン・フリードマン教授との対論、制度分析による中国経済の将来の見通し、など多岐にわたる。最後の小論で先生は日本では女性の地位をもっと高め、外国人移民への門戸を広げることが日本経済の再活性化のカギであることを主張されていたが、残念ながら安倍内閣はその期待に応えることはなかった。この本を書かれた翌年青木先生は亡くなられた。もっと長生きして「移りゆく30年」の結末を見届けて頂きたかった。2020/10/04

Porco

14
「入門」にしては系統立った内容になっていません。2019/07/10

はるわか

13
制度分析の三つのレベル:本質、実体、政策。制度と政策は変数とパラメータの関係。回帰、均衡概念、ゲームの理論、ナッシュ均衡、ルイスの定理。2018/11/24

Francis

11
二年ぶりの再読。内容はあまりよく覚えていなかった。青木先生が考え出したゲーム理論を用いての比較制度分析の方法がおぼろげながら理解できた気がする。法律を制定しただけではだめで、裁判制度などほかの制度の導入や運用も必要になってくるとの主張には共感できた。また、人口減少経済の下で女性労働者の進出や外国人観光客の受け入れ、TPPを生かして農業の強化を図るべきという主張には意を強くした。とは言えまだまだ分からないことも多いので、もう一度は読む必要がありそう。2017/06/01

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