内容説明
二〇世紀最後の一〇年で日本の経済社会は何を失ったのか。そして二一世紀最初の一〇年で何を取り戻せばよいのか。日本のGDP(国内総生産)五〇〇兆円はイギリス、フランス、ドイツの三カ国合計に匹敵するほど大きい。それゆえ経済成長に依存しなくとも、分配のしくみを変えることによって、人々は安心を得ることができる!豊かさの内実を問い直し、競争ではなく協力の視点から「優しい経済社会」を構想する、新しい経済学の誕生。
目次
第1章 ケインズの予言―豊かさをめぐって
第2章 構造改革のどこが間違っているのか
第3章 正常な時代への移行
第4章 たかが景気、されど景気
第5章 成長政策の終焉
第6章 「優しい経済社会」の構想
著者等紹介
高橋伸彰[タカハシノブアキ]
1953年北海道生まれ。76年、早稲田大学政治経済学部卒業。日本経済研究センター、通産省企画室主任研究官、米国ブルッキングス研究所客員研究員などを経て、99年4月より立命館大学国際関係学部教授。マクロ経済分野を中心とする実証分析に基づき、日本経済の現状に対して根源的な問題を提起し、斬新な政策を提言する論客として知られる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
81
バブルがはじけて成長がゼロになったことでの別の考え方を説かれています。老齢人口が増え、若い人が相対的に少なくなれば当然のこととして成長力は落ちてきます。そこのところを明確に認識して「やさしい経済社会」というものを考えていく必要があるということで私は今までの経済成長論とはちょっと異なった視点で新鮮に感じました。2015/09/09
kabashima
2
成長に依存しなくても、分配の仕組みを見直すことで、安心な社会づくりを説く。意図的かと思われる感情論が多く、経済学の学問、実践論としての魅力が欠けています。2012/05/09
Humbaba
2
従来は,経済成長によってパイを大きくすることで全員が幸せになることができた.しかし,これからは成長が期待出きないため,よりうまく分配する方法が必要になる.2010/02/14