ちくま新書<br> 天下無双の建築学入門

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ちくま新書
天下無双の建築学入門

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  • サイズ 新書判/ページ数 237p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480059123
  • NDC分類 520
  • Cコード C0252

内容説明

人はいつから「家」に住むようになったのだろうか。自然の中で暮らしていた人間が家を建てるようになったのはいつからなのだろう?山や川、木や石などに神が宿っていると信じていた頃からの心の習慣が、日本建築の中にはそこはかとなく生き続けている。柱とは?屋根とは?天井とは?建築史家であり、建築家でもある著者が、初学者に向け、屋根、床、柱、窓、雨戸、ヴェランダなど建物の基本構造から説く気鋭の建築学入門。

目次

1 目からウロコ!?古代の建築術(石器で丸太は伐れるのか?―磨製石器;魔法的先端技術“縄”―しばる技術;弥生的なるモノ―竹;「夏は樔に宿」とは―樹上住宅 ほか)
2 アッと驚く!!住宅建築の技(家は夏をもって旨とすべし―住宅;シック・ハウスの代わりにシックイ・ハウスを!―建材;引き戸とドアーを隔てる歴史的事情―戸;日本建築の生命は床にあり―床 ほか)

著者等紹介

藤森照信[フジモリテルノブ]
1946年長野県生まれ。東京大学大学院博士過程修了。専攻は、近代建築、都市計画史。現在、東京大学生産技術研究所教授。全国各地で近代建築の調査、研究にあたる。その後、赤瀬川原平や南伸坊らと「路上観察学会」を発足させる。97年、「赤瀬川原平氏邸に示されたゆとりとぬくもりの空間創出」により日本芸術大賞、2001年、“熊本県立農業大学校学生寮”で日本建築学会賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゲオルギオ・ハーン

23
建築に関する道具や建具について著者の考えや雑学を書いたエッセイ集。難しい表現や用語はないので読みやすいし、近代建築の調査もしている教授ということもあり切り口が面白い。磨製石器を使ってどんな木を切っていたのか、という考古学的な話をしたかと思えば、ダイニングキッチンという戦後の日本で急速に発展した間取りの話をする。確かに台所と食事をするところは海外だと切り離したがるし、日本の古い家も切り離している。日本で広まった理由は建築学者西山夘三氏による食寝分離論が戦後の公営住宅建築で採用されていったからだそうだ。2023/10/21

アマヤドリ

20
並行して読んでいるのが先史時代の思考や神話の発生についての話だったので、縄文時代の家について書かれた滑り出しにちょっと嬉しかった。建築に関する色んなテーマに触れて書かれていて読みやすい。ひとつについてもっと深く書かれたものを読みたい!とも思ったのでまたの機会に他の著作も探してみたい。2015/05/15

浅香山三郎

16
1995~2001年のエッセイ等をまとめたもの。Ⅰ、Ⅱとも雑誌連載なので文体は柔らかく、しかし、問題提起はそれなりに深い。とくにⅡのエッセイは、普段の住宅の部分に目を向けるところから始めて、建築史や西洋と東洋との家を巡る意識の違ひなどに及ぶスタイル。なかなか示唆に富む。2018/08/22

C-biscuit

12
図書館で借りる。結構読んでいる人がいるようである。少し古い本であるが、内容は面白い。建築のマニアックな部分が多く紹介されているように思う。歴史や外国との違い。空調や照明設備についてなど幅広く切られており、雑学的な勉強にもなるように感じた。この本で、共感した部分は、建築というより、人間特有の懐かしく想う気持ちについてである。あまり意識したことがないが、この気持ちは人間特有ということであり、昔の家などを見て懐かしむということであるが、自分もそういう年になってきたようにも感じる部分であった。イラストも良かった。2015/11/12

高橋大輝

11
建築に思いを馳せたことのある人が世間一般にどれほどいようか。ましてや、床や天井、扉、果ては縁の下や雨戸にまで意識を向けるようなことなど、一般の人にとってどれだけあるだろうか。意識しなければ決して分かることのない建築の奥深さ、面白さを知りたいならば、ぜひこの本を読んでほしい。多少筆者の偏見に満ちた意見も飛び出しはするが、その偏った見方がまた建築というよく分からないものについて面白く説明してくれる材料となっており、フム、では私も一度自分の住処について考えてみようか、などという思いが自然と湧いてきたりもする。2018/02/12

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