内容説明
かつて日本の山野に存在した漂泊民は民族の始原に遡って、深層の歴史と深く関わる人々である。定住民とは異なる山の漂泊民の生活習俗や伝承から得られた文化遺産を探求し、日本の民俗学のもうひとつの出発点ともいえるその文化の復権を願う。いま「日本」を問いなおす。忘れられた民衆の記録。
目次
1 サンカ(山窩物語;サンカ(山窩)考
サンカの終焉 ほか)
2 マタギ(秋田マタギ資料;南会津北魚沼地方に於ける熊狩雑記)
3 木地屋(史料としての伝説;漂泊の山民―木地屋の世界)
著者等紹介
谷川健一[タニガワケンイチ]
1921年熊本県水俣市生。東京大学文学部卒。平凡社『太陽』の初代編集長をへて、1970年代に『青銅の神の足跡』や『鍛冶屋の母』などを発表し、民俗事象と文献資料に独自の分析を加え、日本人の精神的基層を研究する上での「地名」の重要性を指摘する。1981年神奈川県川崎市に日本地名研究所を設立、所長に就任し現在に至る。1992年、第2回南方熊楠賞受賞。2007年、文化功労者
大和岩雄[オオワイワオ]
1928年長野県生。旧長野師範(現信州大学教育学部)卒。1952年雑誌「人生手帖」を創刊。1961年大和書房を創立。出版社経営の傍ら古代史研究に着手、季刊「東アジアの古代文化」編集主幹を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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