内容説明
原画100枚オール描き下ろしの絵自伝。
目次
第1章 のんのん人生はじめのはじめ
第2章 ケンカと絵と妖怪と
第3章 戦争はタイヘンだ
第4章 とにかくイロイロやりました
第5章 マンガ家人生も甘くない
第6章 売れた!倒れた!南の島だ!
第7章 それでも水木サンは進む
著者等紹介
水木しげる[ミズキシゲル]
1922年生まれ、鳥取県出身。漫画家、妖怪研究家。幸福観察学会(会員1名)会長。太平洋戦争時、ラバウルに出征、爆撃で左腕を失う。戦後、帰国し、魚屋、アパート経営などを経て、紙芝居を描きはじめ、貸本漫画家となる。その後、少年漫画家となり、『テレビくん』で講談社児童文化賞を受賞。『ゲゲゲの鬼太郎』『悪魔くん』『河童の三平』などで人気作家に。1991年紫綬褒章、2003年旭日小綬章受章
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感想・レビュー
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yomineko@ヴィタリにゃん
51
サクッと読んでしまいましたが内容は濃いです。先生は本当に苦労して苦労を重ねていらっしゃったんですよね。これは他の本で知ったのですが、呑気に海を偵察して野鳥などを見ていたお陰で命拾いしたそうです。海の方にいたから助かったので、陸の方にいた仲間の兵隊は全滅だったとの事。神様が憑いていたとしか思えません。2020/09/27
ヒデミン@もも
41
鬼太郎はテレビアニメの再放送で何度も何度も見た。が、朝ドラは見てなかったから知らなかった。水木さんが戦争でこんなに辛い経験をされていたことを。しかし、妖怪に助けられたのか戦場で一人生き残り、原住民とは家族のような仲となるとは。ご冥福をお祈りします。今頃はあの世で妖怪たちとパウロさんと毎日、お祭り騒ぎかな?2015/12/10
anne@灯れ松明の火
25
水木さん追悼に何か読もうと思っていたところ、読友さんご紹介。絵日記形式の自叙伝で、絵も大きいし、文章もわかりやすく、読みやすい。だが、壮絶な戦争体験がかなりの部分を占めるので、実は重い作品でもある。戦争に行った男性だけでなく、送り出した母親など、女性の哀しみも描かれている。戦後生まれの私たちは、こういう作品を通して、二度と戦争をしないことを胸に刻まないといけない。誰かが「水木さんとやなせさんは死なないと思っていた」と書いていた。同感だったが、ふたりとも逝ってしまった……。残念。もっともっと書いてほしかった2016/01/06
ユカ
21
図書館で。永遠の0にほだされているとき、ふと見つけて読みました。戦争経験があり、作品にもされている作家さんといえば、わたしがまず思い浮かぶのが水木しげるさんです。水木さんの人生が楽天的に絵日記のように描かれていました。でも、片腕を失われたときのお話もあります。その大変な経験や思いを他者に押し付ける感じがしないところが、水木さんは素敵です。2014/01/13
袖崎いたる
12
数多い水木しげるさん自身による水木しげるな作品のひとつ。はっきり云って泣ける。読者は、水木しげるさんの人生史上に登場する様々な人物に自己を投入することで、春夏秋冬が如き喜怒哀楽折々の情景が堪能できる。特にのんのんばあの死を受け止める著者、そして戦地での息子を想う母、または片腕を失って帰郷した息子を迎えた家族などは、眼球の裏側の湿り気を意識せずにはおれない。著者は数多くの目に見えない存在に形を与えてきたが、その行為を「妖怪をタイホする」と評していたらしい。彼のタイホのこの国の文化的発展への貢献は無類である。2015/12/31