内容説明
巨大地震は繰り返す。これだけでは終わらない。来るべき首都直下地震、東海地震、南海地震に備えるため、NHKでおなじみ「津波と歴史地震学」研究の第一人者が「1000年に一度」の東日本大震災の被災現場を緊急調査。
目次
序章 緊急報告 東日本大震災1000年に一度の大災害の読み解き方(1000年に一度の震災の正体;緊急調査報告 東日本大震災の現場)
第1章 太平洋側が相次いで揺れた安政年間の大地震(安政江戸地震;安政東海地震;安政伊賀上野地震;安政南海地震)
第2章 日本を襲う津波の恐怖
第3章 東日本を襲った大地震(関東の震災;中部の地震;日本海沿岸の地震)
第4章 西日本を襲った大地震
著者等紹介
都司嘉宣[ツジヨシノブ]
東京大学地震研究所地震火山災害部門准教授。地震学者。研究分野は津波、歴史地震学。1947年奈良県生まれ。1972年東京大学大学院理学系研究科修士課程修了。理学博士(東京大学)。徹底的な現場主義で知られ、国内外の津波・地震被害の現地調査を実施。地震学者としては唯一といっていい古文書の解読により、有史以来の日本の地震・津波史にも通じている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinkin
62
最近、地震や津波関連の本をいろいろ読んでいる。今、世界のあちこちで火山の噴火や地震が頻発している。そういった地震が日本に影響を与えないと良いのだが。。過去の地震における 文献は、案外多く残っているものだと思った。古い文献の文字を読み解けて地震について科学的に研究している著者にエールを送りたい。図書館本2025/04/04
mimm
5
1000年以上もの地震の記録。その史料集を読み解き、今気をつけることを提示している一冊です。注目される地震以外にも、各地でたくさんの大きな揺れ・被害をもたらす地震は繰り返し起きており、それに付随して火災や津波だけでなく、噴火、新湖による水没、またそれの決壊による大洪水など気をつけなければいけない連動災害はたくさんあることを知りました。先人の教訓は活かさなくちゃいけないと考えさせられる一冊です。2012/04/09
りゅうごん
1
東日本震災級の地震は過去、何度も起きていた。それを残した文献や石碑を調べた本。日本の歴史の教科書にもしっかり記録すると、何故、疫病や飢饉が起こったのか文明が途絶えないまでも、復興に時間を要したのかが見えてくる。2022/07/14
ATSU
1
とても分かりやすい本でした。著者はたくさんの人に,「今まで何度も地震があり,震災があり,先人が残してくれたこれらの記録から,現代の私たちが今すべきことを考えてほしい。」と訴えているのだと思います。2018/06/21
女神の巡礼者
1
本書を読み始めてすぐに熊本地震が発生し、私達が暮らしているこの列島の危うさに身震いする思いでした。この国に残されている多くの古文書に、なんと多くの震災の記録が残されていることでしょう。それは震災の被害にあうたび、生き残った人々が子孫への警告を残そうとしたのでしょう。なのに、自分の生きているうちにそんな震災は起こらないだろうと、なんの備えもせずに油断している私達への警鐘が、本書を読んで聞こえてくるようです。2016/05/01