内容説明
本書で紹介する「箱庭による認知物語療法」は、従来の箱庭療法に認知‐物語アプローチを導入することにより、心理的課題のより効果的な生成とその達成の促進を目指すものであり、認知療法の観点からはスキーマを修正する方法にもつながる、著者オリジナルの新技法である。一般的に箱庭療法では、そこに現れるイメージ表現を重視し、箱庭の作品を味わいつつも積極的に言語化することはしない。しかしここで用いる技法は、認知‐物語アプローチの過程を経てクライエントの心理的課題を言語化するもので、そのような意識化の作業がクライエントの心と行動の変化につながることを事例によって示した。
目次
第1章 理論編:技法と発展過程(認知物語療法とは;認知物語療法の歴史的背景 ほか)
第2章 認知物語療法の実際(認知物語療法の目的;認知物語療法の方法)
第3章 事例編:箱庭療法に認知‐物語アプローチを導入した適用例
第4章 考察:自分で読み解くイメージ表現(総合考察;認知療法の観点から箱庭作品を扱う意義 ほか)
第5章 まとめ
著者等紹介
大前玲子[オオマエレイコ]
1976年大阪大学人間科学部人間科学科卒業。1976‐1987年大阪府豊中市立教育研究所教育相談係。1987‐2003年大阪府豊中市立小学校教諭。1994‐1996年鳴門教育大学大学院学校教育研究科修士課程(現職派遣による)。2003‐2006年大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程。2006年より大阪大学大学院人間科学研究科助教。博士(人間科学)・臨床心理士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。