内容説明
アニメーターの業(ワザ)の秘密を心理学が解き明かす!実写と違い、アニメーションがコマ落ちしても平気な理由とは?「生き物らしさ」を感じる表現の法則って?キャラクターや物語、動きに対する、日本と外国の考え方はこんなに違う!?心理学叢書第13弾!アニメーションの作り手たちは、動きやストーリーを魅力的にするために様々なテクニックを考えてきました。本書では、心理学と制作者の視点から、そうしたテクニックの秘密に迫ります。
目次
第1章 アニメーションの心理学的研究
第2章 アニメーションの動き
第3章 仮現運動
第4章 視覚機能から見たアニメーションの特徴
第5章 動きの造形論
第6章 アニメーションの「感情の谷」
第7章 アニメーション療法
著者等紹介
横田正夫[ヨコタマサオ]
1982年日本大学大学院文学研究科心理学専攻博士課程単位取得退学。現在、日本大学文理学部教授、博士(医学・心理学)、臨床心理士、公認心理師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Oltmk
4
仮現運動や感情の谷、アニメーターから観た観点と3つの視点から心理学的にアニメーションを扱った専門書。6章の感情の谷の項目でぼくの名前はズッキーニのネタバレがあるため、事前に視聴しておく事をお勧めします。仮現運動の項目は理系にさっぱりな自分でも難しいが興味深く読めて、森田氏の論考は日米アニメーションの違いがよく分かる項目となっている。個人的に一番興味を抱いたのは感情の谷の項目で、アニメや映画を観るのに新しい視点を与えてくれたのは好印象だった。2019/12/02
元素53
2
アニメーションを見るという行為を認知心理学的なアプローチから捉える一冊。知覚に因数分解して数値で捉えるこの感じ、久々に頭の体操になりました。先詰めや後詰め、重力に逆らった動きに生物的印象が強まるとか、実写との差異としての輪郭の認知など興味深い点も多々あり。森田さんの日米の動きの違い論考を読んでやはりずっと最近のロトスコブームのことを考えています。2022/01/30
ぽん
2
編著本のため、書き手による差が結構ある。第3章、第4章は視覚の観点からの専門的記述で興味深いのだけれど、映像とかで実際に体験して味わいたい部分だなと思った。文章と図だけの説明では、少々物足りなさがある。第5章が素人目には面白かったかな。ディズニーと日本の商業アニメの違いを、たんに省力化云々ではなく、動きをつくる発想から違うのだという説明。「仕組みからつくる動き」と「見た目を似せてつくる動き」/第6章、第7章は正直どっちでも。評論系の本のほうが面白く語ってくれるんじゃない?2021/06/09