出版社内容情報
1938年、京都の片隅で、その大学教員は治安維持法違反で逮捕された。共謀罪成立の数年後を予兆する名著の新編1938年、京都の片隅で、その大学教員は治安維持法違反で逮捕された。クリスチャンながら共産主義を疑われ、特高の取り調べを受ける日々をコミカルに綴った表題作ほか、昭和史の核心を突くエッセイ群を収録。共謀罪成立の数年後を予兆する名著の新編。[解説=鶴見俊輔/保阪正康]
? 灰色のユーモア
プロローグ
第一章
とうとうやってきた/留置場というところ/治安維持法違反?/同志社との縁がきれる
第二章
永島孝雄のこと、スパイのこと/朝鮮人/人民シェンシェン/若い女性容疑者/私のことが右翼の新聞に/?クウトベ?/意図
第三章
下鴨から太秦へ/ミュンヒェン会談/退屈/たたかわなかったということ/さまざまなお客/検事の取調べ開始/母/いよいよお別れ
第四章
未決囚の苦痛/冬から夏へ/予審・潜在意識
第五章
判決/保護観察・就職/転向/『世界文化』のこと/新聞社・ドイツ大使館
? 私の昭和史
昭和初期の政治風景―山本宣治と水谷長三郎
労働農民党・水谷長三郎の当選/?ダラ幹?の語感と意味/「山宣ひとり孤塁を守る」/「許してやれ!」と「許さん!」
『世界文化』とトーマス・マン
一九三五?三七年―ファシズムと反ファシズムの時代/反ファシズム―トーマス・マンと『世界文化』/アンドレ・ジッドの『ソビエト訪問記』/トーマス・マンをどう扱ったか/?亡命?か?国外移住?か
太平洋戦争下の抵抗―明石順三の『灯台社』を中心に
戦時下抵抗と世代/革命と抵抗/宗教団体『灯台社』の抵抗/さまざまな抵抗の形/小山宗佑と桐生悠々
終戦の年、敗戦の年
?終戦?という表現/独逸文化研究所の思い出/敗戦まぢかのころ/玉音、そして……
? スケッチ風の自叙伝
父と子/私にとってのキリスト教/入学・落第・特別及第/大正リベラリズム/大学生としての三年間/ドイツ語を教えながら/戦争がおわるまでの期間/戦後
亡命について 鶴見俊輔
註
註解 保阪正康
和田 洋一[ワダヨウイチ]
著・文・その他
鶴見 俊輔[ツルミシュンスケ]
解説
保阪 正康[ホサカマサヤス]
解説
内容説明
1938年、京都の片隅で、その大学教員は治安維持法違反で逮捕された。クリスチャンながら共産主義を疑われ、特高の取り調べを受ける日々をコミカルに綴った表題作ほか、昭和史の核心を突くエッセイ群を収録。共謀罪成立の数年後を予兆する名著の新編。
目次
1 灰色のユーモア(とうとうやってきた;留置場というところ;治安維持法違反? ほか)
2 私の昭和史(昭和初期の政治風景―山本宣治と水谷長三郎;『世界文化』とトーマス・マン;太平洋戦争下の抵抗―明石順三の『灯台社』を中心に ほか)
3 スケッチ風の自叙伝(父と子;私にとってのキリスト教;入学・落第・特別及第 ほか)
著者等紹介
和田洋一[ワダヨウイチ]
1903‐1993年。同志社大学名誉教授。京都帝大文学部独文科卒。1931年、同志社大学予科教授。中井正一、新村猛らと雑誌『世界文化』を編集、欧米の反ファシズム文化を紹介した。1949年、同志社大学文学部社会学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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