内容説明
ヨーロッパ列強が壊滅的な戦争をはじめたとき、東南アジアは、具体的にそれにどうかかわり変容を迫られたのか。大戦前後の周辺諸国・地域、世界とのかかわりに注目しながら、国民国家形成への道程を描き、今日さらに未来を展望する。
目次
第1章 マンダラ国家の近代植民地化(シャム;フランス領インドシナ;イギリス領ビルマ;イギリス領マラヤ;オランダ領東インド;アメリカ領フィリピン;まとめ)
第2章 東南アジアと第一次世界大戦(シャム;フランス領インドシナ;イギリス領ビルマ;イギリス領マラヤ;オランダ領東インド;アメリカ領フィリピン;まとめ)
第3章 戦後の民族運動と国民国家の形成(シャム(タイ)
フランス領インドシナ
イギリス領ビルマ
イギリス領マラヤ
オランダ領東インド
アメリカ領フィリピン
まとめ)
第4章 歴史教科書のなかの第一次世界大戦(ヨーロッパ;日本;中国;韓国;場とナム;タイ;そのほか;まとめ)
著者等紹介
早瀬晋三[ハヤセシンゾウ]
1955年生まれ。東京大学文学部卒業。西豪州マードック大学Ph.D.(歴史学)。現在、大阪市立大学大学院文学研究科教授。専攻は東南アジア史。著書に『海域イスラーム社会の歴史』(岩波書店、2003、大平正芳記念賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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dongame6
4
シャム、マレー、ベトナム、ビルマ、カンボジア、そしてフィリピンの東南アジアの国々が現在の形に収まった経緯を列強の植民地支配の始まりから概説する優れた本。列強介入時の各国の状況から始まり、植民地時代の統治、輸出品の移ろいや反乱、第一次大戦を契機に起こった各国の民族意識の芽生え、共産主義の広まり、日本占領からの回復後から現在に至る経緯を網羅している。東南アジア各国も植民地時代から日本や中国、世界と広く関係していたのがよく分る。個人的には反乱の指導者の多くが列強の施した近代教育から生まれた、というのが面白かった2012/09/28
てったい北関東
1
背景知識がまったくと言っていいほどないので理解できたのは微々たるものだったが。一次大戦を契機に変容していく東南アジア、植民地政策。歴史の奥深さみたいのを感じた気がする。2012/09/01