日本人のシンガポール体験―幕末明治から日本占領下・戦後まで

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日本人のシンガポール体験―幕末明治から日本占領下・戦後まで

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  • サイズ B6判/ページ数 312p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784409510742
  • NDC分類 319.102
  • Cコード C1022

出版社内容情報

作家、画家、からゆきさん、スパイや軍人、多くの日本人が暮らし、訪れたシンガポールの歴史散歩かつて欧州航路の寄港地であったシンガポール。
文学者の二葉亭四迷、夏目漱石、永井荷風、井伏鱒二、画家の藤田嗣治、映画監督小津安二郎、春をひさぐ「からゆきさん」から暗躍するスパイまで、ここには多くの日本人が降りたった。幕末から明治、シンガポール陥落後の昭南島といわれた日本軍の占領下から戦後に日本人戦犯が処刑されたチャンギ―監獄、現在の経済発展まで、日本人はどう南洋都市シンガポールをみつめ表象してきたのか。

第一章 明治維新まで

第一節 高丘親王の伝説 
高丘親王の事跡
南進論の高まりの中で
川端龍子および澁澤龍彦

第二節 最初の在留邦人音吉 
オットソンと名乗った日本人
ギュツラフの日本語訳聖書
シンガポールでの音吉の足跡
音吉の息子の帰化

第三節 幕末の遣欧使節団 
 竹内遣欧使節団
 タンジョン・パガの新港に到着
 在留邦人音吉と出会う
 漢詩を吟じ和歌を詠じる
 柴田剛中と中井桜洲の漢詩
 帰路再びシンガポールに寄港
 一八六四年の池田使節団
 渋沢栄一の『航西日記』など

第二章 明治文学の中のシンガポール

  第一節 文明開化期

 岩倉使節団および『八十日間世界一周』
 仮名垣魯文『西洋道中膝栗毛』
 矢野龍渓の翻案小説
 久保田米僊のスケッチ

第二節 森?外と夏目漱石
 森?外の「航西日記」
 ?外が参照した成島柳北「航西日乗」
 夏目漱石の一日観光
 漱石が見た日本人町の娘子軍
 漱石の小説『彼岸過迄』

第三節 永井荷風と二葉亭四迷 
 永井荷風『ふらんす物語』
 明治第二世代の視点 
 西航と東航の違い
 三井の石炭
 二葉亭四迷の火葬
 日本人墓地の石碑

第三章 寄港者が見たもの

第一節 港の光景 
 甲板からコインを投げる
 押し寄せる土産物屋 
 苦力の荷役
 インド人のデッキ・パッセンジャー

第二節 熱帯都市の魅惑 
 天然の色彩美
 マレー人およびインド人の風俗
 動物園と動物屋
 ゴム園の世界
 虎狩りの殿様・徳川義親
 ジョホール王国

第三節 娘子軍および政治活動家 
 日本人町の娘子軍
 娘子軍肯定論と否定論
 日本人町でのエピソードと文学
 娘子軍と女衒の愛国心
 自由民権運動の活動家たち
 宮崎滔天の入獄

第四章 大正・昭和の美術と文学

第一節 シンガポールを訪れた芸術家 
 彫刻家朝倉文夫の密偵旅行 
『在南三十五年』に登場する画家と歌手
 欧州航路の画家たち
 旅絵師の哀れな展示販売会

第二節 金子光晴と森三千代 
 インド人街のエキゾティシズム
 シンガポール華僑の排日
 混血娘と密淫売
 金子光晴の見た在留邦人
 タンジョン・カトンの海岸
 カトンの日本料理屋
 ポンゴールの清涼館

第三節 寄港した文学者たち 
 
 与謝野晶子および齋藤茂吉
 吉行エイスケの「阿片工場」
 高浜虚子と横光利一の吟行
 島崎藤村の日本小学校での講演
 近現代詩にあらわれたシンガポール

第五章 シンガポール陥落

第一節 マレー作戦 
 英国によるシンガポールの要塞化
 篠崎護のチャンギー収監
 シンガポール攻略戦
 ブキ・ティマ三叉路まで
 山下・パーシバル会見
 シンガポール陥落を祝う詩

第二節 徴用作家井伏鱒二 
 『The Syonan Times』の発行
 華僑粛清事件
 小説家郁達夫を捜して
 華僑協会五千万ドル強制献金
 山下奉文将軍に叱責される
 小説「花の街」の連載
 伊号第三十潜水艦の爆沈

第三節 第二次徴用作家たち 
 中島健蔵らの到着
 神保光太郎の昭南日本学園
 昭南日本学園の盛況
 日本語普及運動
 北川冬彦と闇物資

第六章 昭南島時代

第一節 日本占領下での統治 
 軍政から市政へ
 昭南植物園の田中館秀三
 徳川義親の昭南博物館
 昭南神社と昭南忠霊塔の建設
 食糧不足によるエンダオ・バハウ疎開
 ビハリ・ボースからチャンドラ・ボースへ

第二節 昭南島の日本文学 
 徴用作家中村地平
 吉川英治の『南方紀行』
 佐多稲子と林芙美子
 佐藤春夫の南方旅行
 大佛次郎の小説『帰郷』

第三節 昭南を訪れた文化人 
 画家藤田嗣治と宮本三郎
 洋画家荻須高徳の素描
 芸能慰問団の来訪
 軍歌「戦友の遺骨を抱いて」
 昭南島と日本映画
 映画監督小津安二郎

第七章 第二次世界大戦後

第一節 チャンギー刑務所 
 レンパン島・ガラン島での抑留生活
 チャンギー刑務所の日本人
 きけ わだつみのこえ
 占領下日本からの船客

第二節 客船から飛行機へ 
 対日感情の悪さを感じる町 
 北杜夫『どくとるマンボウ航海記』
 シンガポールを描いた戦後の美術
 庄野英二のシンガポール再訪
 戦跡探訪小説『地を潤すもの』
 池波正太郎のグッドウッド・パーク・ホテル
 村上龍の『ラッフルズホテル』

西原大輔[ニシハラダイスケ]
西原大輔(にしはら・だいすけ) 1967年東京生まれ。聖光学院(横浜)、筑波大学、東京大学大学院に学ぶ。シンガポール国立大学、駿河台大学を経て、現在、広島大学大学院教育学研究科教授。詩人。 著書 『谷崎潤一郎とオリエンタリズム』(中央公論新社、2003年) 『橋本関雪』(ミネルヴァ書房、2007年) 『日本名詩選』全三巻(笠間書院、2015年) 詩集 『赤れんが』(私家版、1997年) 『蚕(さん)豆(とう)集』(七月堂、2006年) 『美しい川』(七月堂、2009年) 『七五小曲集』(七月堂、2011年) 『掌(てのひら)の詩集』(七月堂、2014年) 『詩物語』(七月堂、2015年)

内容説明

かつて欧州航路の寄港地であったシンガポール。文学者の二葉亭四迷、夏目漱石、永井荷風、井伏鱒二、画家の藤田嗣治、映画監督小津安二郎、春ひさぐ「からゆきさん」から暗躍するスパイまで、ここには多くの日本人が降りたった。幕末から明治、シンガポール陥落後の昭南島といわれた日本軍の占領下から戦後に日本人戦犯が処刑されたチャンギー監獄、現在の経済発展まで、日本人はどう南洋都市シンガポールをみつめ表象してきたのか。

目次

第1章 明治維新まで
第2章 明治文学の中のシンガポール
第3章 寄港者が見たもの
第4章 大正・昭和の美術と文学
第5章 シンガポール陥落
第6章 昭南島時代
第7章 第二次世界大戦後

著者等紹介

西原大輔[ニシハラダイスケ]
1967年東京生まれ。聖光学院(横浜)、筑波大学、東京大学大学院に学ぶ。シンガポール国立大学、駿河台大学を経て、広島大学大学院教育学研究科教授。詩人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Willie the Wildcat

61
世界的な寄港地シンガポールは、現在もその存在感を維持。”初期”在留日本人を通して垣間見る日本史。皇室から各界著名人。漱石もその一人。松屋旅館に植物園、時に酷評ながらも『彼岸過迄』にも足跡。様々な意味で”色眼鏡”で日本人訪問者に見られながらも、”先人”として同胞を支援する姿が印象的。シンガポール赴任時代に、田中館秀三教授や徳川義親公爵の功績は見聞きしたが、音吉のことは知らなかった。『にっぽん音吉漂流記』を読んでみよう。2017/10/25

月をみるもの

6
シンガポールでの音吉と諭吉、森山との出逢いに想いを馳せつつ墓参り: https://bookmeter.com/mutters/1552551872017/05/03

ゆうろう

0
この本を読むまで、最初にシンガポールの地を踏んだ日本人は、無名のからゆきさん達とばかり思っていたが、実は音吉という幕末の漂流民だったとは…。当地には明治から昭和初期、多くの文化人が訪れてたいたんだな。ほとんどは欧州航路の途上で、南洋華僑には興味を示さなかった中で、金子光晴が彼らについて記しているのは流石だ(P133)。戦時中、井伏鱒二他著名文化人もシンガポール占領に加担していたことは誠に遺憾。日本が占領初期に華人虐殺を行ったことは、シンガポール人は勿論忘れないだろうが私達も目を逸らすべきではない、 絶対!2022/10/03

RYU

0
幕末から戦後に至る間の、日本人の眼に映ったシンガポールの姿。洋行を経験したほとんどの日本人は、欧州航路の寄港地シンガポールに上陸し、何らかの文章を残している。福沢諭吉、森鴎外、夏目漱石、井伏鱒二、小津安二郎、様々な日本人がシンガポールを訪れていた。最初のシンガポール在留邦人音吉はSiglapに住み、Bugisにあった日本人町には夏目漱石が訪れ、Katongには日本の料亭があった。シンガポールと日本人のかかわりを描く。2022/04/07

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