出版社内容情報
近代の申し子たる「心霊科学」、その社会思想的背景を一時資料まで踏査し、その代表例をVユーゴー、Aカラデックなどの営為のうちに探る。
内容説明
近代の申し子たる心霊科学―V・ユゴー、A・カルデック、C・フラマリヨン等々、近代西洋の心理科学者たちの一次資料を博捜踏査し、宗教と科学をめぐる今日的課題の淵源を探る知の考古学。
目次
第1章 「近代」の申し子としての「心霊科学」(「聖なる構造」の終焉;不可視へのまなざし ほか)
第2章 創造的シンクレティズムの時空―ヴィクトル・ユゴーの「降霊術」体験(「降霊術」に没頭する;「降霊術」の方法 ほか)
第3章 スピリチスム―アラン・カルデックの「科学的宗教」(実証主義の時代の「科学的宗教」;「転生」する「霊たち」 ほか)
第4章 科学のフロンティアを拓く―天文学者カミーユ・フラマリヨンと「心霊科学」(カルデシスムからの出発;宗教の支配から科学の支配へ ほか)
著者等紹介
稲垣直樹[イナガキナオキ]
1951年、愛知県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。パリ大学にて文学博士号取得。日本翻訳文化賞受賞。京都大学大学院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐倉
2
敗れた夢の残骸か、あるいは未だ証明されない学説なのか。ヴィクトル・ユゴー、アラン・カルデック、カミーユ・フラマリヨンの三人をテーマに、近代フランスにおける心霊主義について考察する。それぞれ作家、宗教家、天文学者でありつつ、その裏で心霊現象を実証的な学問として探求した。宗教の時代が終わり、科学万能の世界の到来への期待感は心霊にも向いていた。それを後から断罪することなど出来ないだろう。しかしデホラ・プラムのルポを読んだ時も思ったが女性霊媒のエウサピアに入れ込み過ぎじゃない?信じさせる力が凄かったんだろうか。2022/04/03
いたる
0
実証主義、進化論、アラン・カルデック、エミール・フラマリヨン。2014/03/03