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出版社内容情報
21世紀になってもその人気の衰えることを知らない漫画家・水木しげるといえば、「ゲゲゲの鬼太郎」に代表される妖怪漫画や、自身の体験に基づく戦記漫画などが有名だが、人物伝を描いても、やはり一流。その代表的作品が、アドルフ・ヒットラーを題材にした「劇画ヒットラー」であろう。画家志望だった青年が、いかに変貌し、世界に稀な独裁者となりえたのか? 水木氏は決して誇張も過小評価もせず、膨大な資料を参考に、等身大に近いヒットラー像を飄々と描いてみせる。難解な研究書より、ヒットラーが身近に感じられる名著である。もともと「劇画ヒットラー」は、1971年に「週刊漫画サンデー」に「革命家シリーズ」の第2弾として連載され、翌年に単行本化。その後何度か刊行され、現在は文庫にも収められているが、装丁などに非常に味があったオリジナル版のテイストを生かして、復刻したのが本書である。巻末には著者のあとがきも収録。
内容説明
希代の英雄でも狂気の独裁者でもない―水木しげるが見たヒットラーとは?1971年に漫画サンデーで発表された「革命家シリーズ」第2弾。30年の時を経て、オリジナルデザインを再現して復刻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
allite510@Lamb & Wool
7
語るべきこと、検証すべきことが恐ろしく多い筈のヒットラー像が、びっくりするほど簡潔にまとめられている。「芸術的画家」という言葉の扱いや、姪のゲリへの溺愛描写など、おちょくったような描写も多少あるが、人物理解を変に誘導したり歪めたりするほどのウェイトは感じない。漫画的に面白くしすぎないところに、とても抑制された静かな怒りを感じて、いっそう長く印象が残る。怒りをぶつけられたのではなく、静かに手渡された感じ。なかなか漫画でこんなふうには描けないのではないか。2017/11/19
のんたろう
4
ヒットラー=独裁者くらいの認識しかなかったけれど、こんな面もあったんだ。一体弱いのか強いのかわからない感じだけれど、どちらの度合いも極端だったのかな。一体彼のどこがそんなに国民を惹きつけたんだろう。水木しげるがあとがきで「ヒットラーさん」と、まるで隣のおじちゃんのことを話しているかのような語り口。人間あまり無理をしちゃあいかんね、としめる。ヒットラーを語ってこの締め方はさすが、しげるおじちゃん。2017/02/20
ひろただでござる
3
現実として「あった」ことやから抵抗なしに読めるが…物語として読んだとしたら「そんなアホな事が…」ってなるくらい「変」。あとがきにある「人間あまり無理をしちゃいかんネ」は現在形で「無理」をしている人間は気づくことは無いと思う。2017/02/26
チョビ
3
はじめて水木しげる作品を読む。ずいぶんとっちらかった感を感じる。あとがきを読むと、そのとっちら感こそこの漫画で出したかった表現なのかな、と思いました。2013/12/23
ヨハネス
2
きちんとした伝記は読んだことがないのだが劇画なら読みやすそうと思って。奇人変人ぶりはよくわかったけれど、ユダヤいじめの話は省略され、世界大戦の複雑な絡みはわかりづらかった。だから劇画の割りにあまり読まれないのだろうか。余談だが、図書館書庫に入っていたのを予約し翌日には借りられると思ったら、次の瞬間見たら貸出中になり1週間待つことになった。図書館内部の誰かがヨコハイリしたに違いないと思っている。2019/07/11