出版社内容情報
本屋大賞『羊と鋼の森』誕生前夜から受賞、そして――。単行本未収録の連載エッセイ2年分を追加収録。ファン必携の贅沢な一冊!
内容説明
ふるさと福井で、北海道の大自然の中で、のびやかに成長する宮下家の三兄妹。その姿を作家として、母親として見つめ、あたたかく瑞々しい筆致で紡いだ連載「緑の庭の子どもたち」6年分を完全収録。さらに本屋大賞受賞時のエピソード、自作解説ほかエッセイ62編、掌編小説や音楽劇原作など創作5編も収め、宮下ワールドの原風景を堪能できる一冊!
目次
1章 緑の庭の子どもたち2013‐2015
2章 日々のこと
3章 本のことなど
4章 自作について
5章 羊と鋼と本屋大賞
6章 緑の庭の子どもたち2015‐2017
7章 緑の庭の子どもたち2017‐2019
著者等紹介
宮下奈都[ミヤシタナツ]
1967年福井県生まれ。2004年「静かな雨」で文學界新人賞佳作に入選、デビュー。07年に発表された書き下ろし長編『スコーレNo.4』が絶賛される。15年刊行の『羊と鋼の森』が本屋大賞、キノベス!第一位、ブランチブックアワード大賞の三冠を受賞、18年に映画化された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いたろう
67
月刊「fu」に、2013年から2019年の6年間に渡って連載された「緑の庭の子どもたち」他、宮下さんのエッセイ本。「fu」での連載開始時、家族で北海道の山の中に住んでいた宮下家。当時中3だった長男が、連載終了時には、20歳の東京の大学生だというのも時間を感じる。長男だけでなく、北海道に移住していた1年間を書いた、「神さまたちの遊ぶ庭」で読んだ子どもたちの、その後の様子を読むことができたのが、まるで親戚の子どもたちの便りを聞くようで、うれしいところ。その他、本屋大賞を取った時の話などが、とても興味深かった。2021/01/07
piro
45
福井新聞「fu」連載のエッセイを中心に、掌編も加えた一冊。北海道トムラウシでの暮らしに始まり、福井に戻ってからの日々の中、成長していくお子さん達の姿が描かれているのがとても微笑ましい。『神さまたちの遊ぶ庭』では中学生と小学生だった彼らが、上の二人は大学生になり家を出て、下の娘さんも高校生。親戚の子供を見るような視点で、彼らの成長に喜びを感じました。優しくて、おおらかで、どこか抜けている母・宮下さんがとても可愛らしくて魅力的です。こんなお母さんだったらホント最高だろうな。ウルっとする掌編もまた、いい。2020/10/30
たるき( ´ ▽ ` )ノ
44
まったり、のんびり、少しずつ楽しんで読むことができた♫宮下さんのエッセイ大好き!!お子さん達に愛情をたっぷり注いでいるのがよくわかる。2021/04/11
aika
43
しょげていた心がすっと前を向ける。そんな宮下さんの小説の源泉に触れた気がしました。毎日を家族と自分の為に、一生懸命なんだけど楽しく生きている宮下さんの、肩肘を張らない言葉が心地いいです。楽観主義の長男、がんばり屋さんの次男、小林カツ代ファンの末っ子長女、温かいご主人。そして人生を豊かにしてくれた北海道のトムラウシで過ごした一年。個性豊かで心優しくて、おもしろい家族がいるから、本屋大賞受賞後の慌ただしい日々も、過去の苦しい思い出も、えいやっと乗り越えて来られたのだなあとしみじみ。家族って、やっぱり素敵です。2020/11/25
陽子
36
著者の前作『神さまたちの遊ぶ庭』の北海道エッセイがとても楽しかったので、その後の宮下ファミリーの子どもたちに会いたくて再び手にした。本書は本屋大賞受賞時の裏話や、著者の読書棚からの本の紹介、ショートストーリーなども挿入されていて、楽しく読めた。著作とは違う、くだけた雰囲気で著者の人柄に親近感を感じる。おおらかな宮下ファミリーの生活の一コマは、笑顔になれる。タイトル作始め、「左オーライ」「リトルピアニスト」心に残った。私は『羊と鋼の森』等の小説作品も透き通って素敵と思いますが、宮下氏のエッセイ、好きです。2020/11/14