出版社内容情報
打率4割7分4厘を記録した盲目の天才打者。謎に包まれた彼の生い立ちを一匹の盲導犬が語る。奇想あふれる物語、待望の復刊!
内容説明
盲目の天才打者、横浜大洋ホエールズの田中一郎選手。盲導犬に先導され、“耳”で球種を捉える驚異の打法で、昭和54年度は本塁打56本、打率4割7分4厘を記録。とくに対巨人戦での活躍はめざましかった。壮大な「予告ホームラン」でも物議をかもす田中の謎につつまれた生い立ち、球界が狼狽える様を、一匹の“野球盲導犬”が語る、奇想に満ちた物語。
著者等紹介
井上ひさし[イノウエヒサシ]
1934年、山形県生まれ。上智大学文学部卒業。浅草フランス座で文芸部進行係などを経て文筆業に入り、戯曲やテレビ脚本で数々の賞を受賞。著書に『手鎖心中』(直木三十五賞)、『吉里吉里人』(読売文学賞、日本SF大賞)、『腹鼓記』『不忠臣蔵』(吉川英治文学賞)、『シャンハイムーン』(谷崎潤一郎賞)、『東京セブンローズ』(菊池寛賞)、『太鼓たたいて笛ふいて』(毎日芸術賞、鶴屋南北戯曲賞)など多数。1984年に結成した劇団「こまつ座」の座付き作者として、自作の上演活動も行った。2004年、文化功労者に選ばれ、09年には日本芸術院賞恩賜賞を受賞した。2010年4月9日、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そうたそ
17
★★★☆☆ 盲目の野球選手が盲導犬とともにプロ野球で活躍する話。現実離れしたような桁違いの記録を数多く叩き出すという荒唐無稽な話のようで、案外とデータに基づいた数字の上で書かれていたりするので、違和感のない絶妙なラインをついたストーリーが作られている。総じてアンチ巨人の人にとっては心がスカッとするような内容。そうでなかろうと、異色の野球小説として手に取る価値はあり。2021/02/19
Book Lover Mr.Garakuta
14
図書館本:盲導犬の補助により野球を楽しむ本。こうもり傘の下りが面白いですね。★3くらいかな。2021/02/27