出版社内容情報
朝は三女の喫茶店、昼は次女のうどん屋、夜は長女のスナック。ワケあり三姉妹が営む店の、可笑しくてホロリとしみる人情ドラマ。
内容説明
朝は三女の喫茶店、昼は次女の讃岐うどん屋、夜は長女のスナック―朝・昼・夜で業態がガラリと変わるその店は通称「三人屋」。やって来るのは、三女にひと目惚れしたサラリーマン、出戻りの幼なじみに恋する鶏肉店主、女泣かせのスーパー店長など、一癖ある常連客たち。三姉妹が作るごはんを口にすれば、胃袋だけじゃなく、心もたっぷり満腹に!?
著者等紹介
原田ひ香[ハラダヒカ]
1970年神奈川県生まれ。2006年「リトルプリンセス2号」で第34回NHK創作ラジオドラマ大賞受賞。07年「はじまらないティータイム」で第31回すばる文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
488
TLで気になってた作家さん、「飯」関連を多く書いてらっしゃるようで楽しみにしてた。確かに食べ物描写はいい。商店街の様子も楽しい。個性あふれる三人姉妹がユニーク。なのになぜか途中から飽きてきて。レコードの謎もミステリー仕立てにしたかったのかもしれないが、収束しきれていない印象。いちばんの難は、「この作家さんでなきゃ」という個性があまり感じられなかったことかな。2019/09/18
しんごろ
316
兄弟、姉妹、そりゃ仲が悪いとかいろいろあるよね。夫婦、男と女もいろいろあるよね。朝日、まひる、夜月もなんだかんだで、寄りも戻って、姉妹の絆がしっかりできたから良かったね。ここに登場してくる男性諸君は情けないやら、頼りないやら…。男はこんな男ばかりではないといいたいね。でも三觜さんだけはまともに見えたかな。キャベツのぬか漬けを食べてみたいな。いつまでも、しっかり仲良く気軽に行ける「三人屋」でいてほしいね。ドラマ化したら面白いかもね。2019/11/08
さてさて
286
『ここの三人姉妹はどれも一筋縄ではいかねえよ』。ひとつのお店を『朝、昼、晩と営業形態』を変えて『三人姉妹』が営む中に「三人屋」と呼称されるようになった『ル・ジュール』。この作品ではそんなお店に集う人たちの日常と、『三人姉妹』の関係性を見る物語がテンポのよい視点移動の中に描かれていました。それぞれに個性ある三つのお店の”食”を楽しめるこの作品。『三人姉妹』ものの面白さを堪能できるこの作品。結末のまとめ方にう〜ん…という思いが残りはするものの、全体としてはサクッ!と気軽に読める、原田ひ香さんらしい作品でした。2025/03/12
mae.dat
265
朝はパンとコーヒーの店、昼は讃岐うどん、夜はスナックと化する通称三人屋。どんなシステムで運用されているのか不思議です。パンはホームベーカリーで焼いているそうですが、一体一日で何斤程出るのか。うどん屋も、麺は業者から卸して貰っているのでしょうか? 元喫茶店ですので、タイル張りの厨房じゃないですよね。流しでせっせと湯切りしているんだろうな。色んな人が出てきますが、鶏肉屋の酉一さんかなぁ。結局親子丼しないのかなぁ。って言うか、その手間増やすより、かしわうどんにした方が良い気がするのですけど、どうでしょうね。2022/10/05
ノンケ女医長
228
引き込まれるように読んだ。たくさんの人に愛されるお店と、料理の数々。独特の営業スタイルに唸ったし、設定を捻りだした作者の着想が素晴らしい。原田ひ香ファンには外せない小説では。なんと言っても、個性豊かな三姉妹の生き方。それが店にたくさんの客を引き付ける。料理の一品一品、きっと頬っぺたが落ちる美味しさなんだろうな。夜月の「女の幸せは、容姿も身丈も性格も頭脳も性の嗜好も関係ない。ただ、運なのだと」の言葉、すっとした。トーストとコーヒーを食べに行きたいです。2022/12/11