実業之日本社文庫<br> 永遠の夏―戦争小説集

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実業之日本社文庫
永遠の夏―戦争小説集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 614p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784408552149
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C0193

出版社内容情報

終戦70年特別編集。戦争に生きた者たちの想いが胸を打つ。大岡昇平、小松左京、坂口安吾ほか豪華作家陣が描く珠玉の戦争小説集

内容説明

1945年、日本は降伏を決し、第二次世界大戦が終わった。ノモンハン事件から、真珠湾攻撃、南洋戦線、従軍慰安婦、抗命事件、硫黄島、疎開先の女学生、広島原爆、外地脱出、沖縄基地問題まで、戦争を題材にした名作を収録。文学だから描けた「本当の戦争」がここにある。大岡昇平、小松左京、坂口安吾ほか14人の作家による「文庫オリジナル戦争小説集」。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

すこにゃん

51
戦後70年目に出版された戦争を題材にした小説集。著者は五木寛之、城山三郎、坂口安吾、小松左京、柴田哲孝などの方々です。ノモンハンの謎、真珠湾の特殊潜航艇、歩哨の眼、従軍慰安婦、軍の隠蔽体質、抗命した将校、硫黄島玉砕、潜水艦乗組員、疎開女学生、広島被爆、特攻隊員、大陸からの引揚者、沖縄を彷徨う亡霊、戦争を知らない人々とテーマが時間を追って現在に近づくよう構成されています。分厚さも気にならずいつの間にか読了。最終話のメッセージはこの本を締めるに相応しい。どっしりとした読み応えで感慨ひとしおです。2015/04/12

№9

35
戦争小説の短編集ということで興味をそそられ手にした一冊だったが、錚々たる作家群によるその一編一編は、戦争小説というカテゴリーを抜きにして、小説を読むことの醍醐味を味わうことのできる渾身の、まさに渾身の短編集だった。その時代を生きた人々の、今を生きる我々と何も変わることのない息遣いを、後世に伝え続ける珠玉の短編集と言えると思う。2015/07/11

29
かなり有名な作家さんたちが描く戦争小説集。ボリュームがあり読み応えあります。国民、兵士、色んな視点からのいろんな時代のことが描かれており戦中から戦後までを駆け巡った感じがしました。サスペンス的な作品も多くて読みやすいです。 「糊塗」「潜艦呂号99浮上せず」「伝令兵」あたりが気に入っています。2015/06/19

マムみかん(*感想は風まかせ*)

28
昭和14年のノモンハン事件から現代の沖縄の基地問題、果てはパラレルワールドの日本まで…太平洋戦争を題材にした戦争小説アンソロジー。 戦後70年。 当時を知る方々がどんどん亡くなり、戦争の記憶も薄れ、どこか他人事のように考えてしまう今こそ読まれるべき作品の数々。 小説ではありますが、戦争の狂気や残酷さ、虚しさをリアルに語っています。 柴田哲孝さんや五木寛之さんの作品はミステリー仕立てで面白く、山田風太郎はやっぱり山田風太郎(笑)、城山三郎さんのバロン西の最期や目取真俊さんの沖縄の姿は哀しかった…☆2015/02/17

松本直哉

26
目取真俊の「伝令兵」を読むと、今なお現在進行形で戦争が続いていると感じる。もはや戦後ではないなどと呑気な妄言を吐けるのは本土の人間だけ。沖縄にはいまもこの伝令兵のような霊が彷徨いつづけていて、辺野古や高江にも出没しているのだろう。彼らの霊を鎮めるためにできることは何だろうか。死者に礼を尽すのは生きている者の務め。禁を破って兄の遺体を葬るアンティゴネに南方で戦死した兄の死を嘆く女性を重ね合せる皆川博子「アンティゴネ」も心に残る。再読の田村泰次郎「蝗」、白木の箱と慰安婦を運ぶ任務の兵に降りかかる蝗と爆弾が強烈2020/01/18

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