内容説明
「私の卓抜な推理によれば、これは、まさしくまぎれもない完全なる殺人事件であります」―サハリンへと向かう豪華客船の甲板に残された遺書と赤く染まった靴。偶然居合わせた北杜夫氏は、探偵役を買って出たが、推理すればするほど、真相は迷宮のかなたへ…。「にっぽん丸殺人事件」はじめマンボウ氏が遺した爆笑のユーモア・ミステリー。初文庫化。
著者等紹介
北杜夫[キタモリオ]
1927年東京生まれ。東北大学医学部卒業。船医となり世界各国を回り、その体験を書いた『どくとるマンボウ航海記』がベストセラーになった。60年「夜と霧の隅で」で第43回芥川賞受賞。64年『楡家の人びと』で毎日出版文化賞、86年には『輝ける碧き空の下で』で日本文学大賞、また98年には茂吉評伝四部作で第25回大佛次郎賞を受賞。2011年10月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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