出版社内容情報
女子大に通う彩奈は、奨学金制度を利用し、クラブで働く。彼女は恐喝をたくらむが…。直木賞作家が描く、驚愕の犯罪サスペンス!
内容説明
都内の女子大に通う圭子は、出版社の編集者を目指す大学4年生。奨学金を利用し、六本木のクラブで働きながら、大学生活を送る。大型の台風が東京を襲った夜、マンションから男が飛び出してきた。クラブの客で、人材派遣会社社長の国枝だ。翌日ニュースを見ると、そのマンションで殺人事件が起きたという。就職が決まらず鬱屈していた圭子は、国枝に脅迫状を送る…。人々の感情が交錯し、火花を散らす犯罪×心理サスペンス!今勢いに乗る直木賞作家が贈る、大人の傑作エンターテインメント!!
著者等紹介
藤田宜永[フジタヨシナガ]
1950年、福井県生まれ。早稲田大学第一文学部中退後、渡仏し、エールフランスに勤める。帰国後、フランスミステリの翻訳やエッセイを手がけ、1986年『野望のラビリンス』で小説家デビュー。1995年『鋼鉄の騎士』で第48回日本推理作家協会賞、第13回日本冒険小説協会特別賞を受賞。1999年『求愛』で第6回島清恋愛文学賞、2001年には『愛の領分』で第125回直木賞、2017年には『大雪物語』で第51回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
187
藤田 宜永は、新作中心に読んでいる作家です。ベタな題名ですが、ノンストップラブノワールサスペンスといった感じで、楽しめました。キャバクラは、コスパの低い風俗だと思いますが、何故皆さんは、行きたがるのでしょうか?私はほとんど行きません(笑)2018/07/27
いつでも母さん
172
どんどん引き込まれて一気読み。いつバレるのだろうと思いながらハラハラ・・肝心の人がどこかで繋がってる行くのに真実にはたどり着かない。そしてのラスト。まさかのラスト。これ以上ない巧い収束で藤田さんにやられてしまいました。面白かったです。2018/08/03
🐾Yoko Omoto🐾
166
就職が決まらぬままにホステスのバイトで生計を立てている大学生の圭子。故郷には母一人、奨学金の返済への不安や一日も早く水商売を抜け出したい焦りが、彼女をとんでもない行動へと駆り立てて行く。突っ込みどころはあるものの、サスペンスドラマ的なテンポの良さとエンタメに振り切った面白さが好印象。縺れに縺れた真実がいつ露見するのか、どこに着地するのかとハラハラし通しのノンストップミステリだ。恐喝者となり大金をせしめた圭子をはじめ、登場人物たちの複雑な心理状態を仔細に描くことで、単純な構図に見せない点も非常に良かった。2019/02/10
machi☺︎︎゛
151
奨学金を返す為にホステスのバイトをしている圭子は偶然に客の秘密を知ってしまう。そしてそれをネタに恐喝する。でもその秘密を知られた客、国枝にも秘密があった。恐喝や殺人がこんなに上手くいくはずはないのに、偶然の一致やタイミングが上手くあって圭子の思い通りに進む。だけどそれを邪魔する人たちも現れて、圭子の気持ちも揺れ動く。2021/02/07
utinopoti27
138
岡野圭子はクラブホステスで生計を立てる苦学生。ある嵐の日、クラブの常連客の国枝が、殺人事件が起きたマンションから出て来る姿を見てしまった彼女は、彼を脅迫することを思い立ち、まんまと大金を手にしてしまう。しかし、真の物語はここから始まります。様々な登場人物たちの思惑やら疑念が複雑に絡み合い、物語はどこに向かうのか、いっこうに見えてきません。短く区切られた歯切れのいい文章はリズム感があり、テンポよく読み進めるうちに、クライマックスへ。そして衝撃のラスト1ページ!やられた感MAXのクライムサスペンスに脱帽。2018/08/27