内容説明
真の武士がここにいた。老中水野忠邦の悪政に死を賭して異を唱えた偉才の江戸南町奉行。
著者等紹介
中村彰彦[ナカムラアキヒコ]
1949年6月、栃木県栃木市に生まれる。本名・加藤保栄。東北大学文学部国文学専攻卒業。’72年「風船ガムの海」で第34回文学界新人賞佳作入選。’73年より’91年まで文藝春秋に勤務。’87年『明治新選組』で第10回エンタテイメント小説大賞、’93年『五左衛門坂の敵討』で第1回中山義秀文学賞、’94年「二つの山河」で第111回直木賞、’05年『落花は枝に還らずとも』で第24回新田次郎賞を各受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まさみつ
2
ん。注目低いな(汗)。遠山の金さんこと遠山景元が北町奉行を務めた際、南町奉行所を努めた幕臣、矢部定謙を描いております。この主人公が良い!まさに硬骨漢というべき人物で、町奉行職においては人情味溢れる裁きを下し、勘定奉行としては天保飢饉に際して幕府の米を拠出して貧民を救う。しかし時の権力者にして変節漢、水野忠邦と最後まで戦い続け最後は水野と、矢部の後任に座った鳥居耀造との姦計に破れ桑名に配流。配流先で餓死によって自死してのけた人物です。こういう人物が残っていたら、幕末も少しは変わっていたのかなぁ。2010/08/27