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いっぺんさん

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  • サイズ B6判/ページ数 293p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784408535067
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

『花まんま』の直木賞作家が描く命と友情と小さな奇跡の物語。田舎で出合った8つの不思議ストーリー。

著者等紹介

朱川湊人[シュカワミナト]
1963年大阪府生まれ。慶応義塾大学文学部卒。出版社勤務を経て、2002年「フクロウ男」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。03年「白い部屋で月の歌を」で日本ホラー小説大賞短編賞を受賞。05年『花まんま』で直木賞を受賞。ノスタルジックホラーの名手として注目される気鋭作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Shinji

105
基本的にはノスタルジックファンタジーホラーの短編集って感じでしたが、表題作の「いっぺんさん」がとても白いタイプの朱川さんなので、他のホラーテイストの強い作品が少し弱く感じられた。とは言っても読後に足元から上ってくるような怖さはさすが朱川さん。 関西人には馴染みの深い「いっぺん」という言葉の意味に胸を掴まれた表題作と、ヒロとハスミの持っていきようのない救いのなさに、心に痣が出来そうなほど哀しかった「八十八姫」、この二作は秀逸でした。悲しかった事を思い出すが、それを含めて子供時代に想いが募る良本でした。2015/12/12

けい

96
表題の「いっぺんさん」はどこか懐かしく、どこか切ない、思わずほろっとくる作品でしたが、他の7編はホラー色の強い作品でした。朱川さん短編集は一遍、一遍が頃合いの長さ、飽きることなく最後まで読ませてくれます。最近の作品は懐かしい良い話が詰まっている短編が多いのですが、こういった作品も刺激的で、筆者らしい辛口な貧しさや風習への風刺を楽しませてもらいました。2014/03/06

ままこ

72
心が温かくなるホワイトもあるけど仄暗いブラック多めだった朱川さんのノスタルジックで不思議な8つの短編集。ダントツ良かったのがタイトル作『いっぺんさん』願い事がこのような形で叶うとは…切ないけど優しさ溢れる奇跡の物語。『コドモノクニ』は不条理で哀しく怖ろしい。淡々とした“ですます調”の語り口がよりヒンヤリした怖さを引き立てていた。『小さなふしぎ』は考えさせられた。なんとも言えない切ない読後感。2018/07/03

エンブレムT

71
こ、こ、これが、噂に聞く黒・朱川さんですか・・・。アンソロジーで読んだ表題作の、ホロ苦くも温かな友情物語にノックアウトされ手に取ったのですけれど・・・ページをめくる手がどんどん重くなってきて・・・なんだか変な汗を流しながら読了するに至りました。うぅ。『いっぺんさん』の連作短編集だと思ってたのに~。テイスト違い過ぎです~!ホロ苦じゃなく、夜眠れなくなるくらいの濃いブラックじゃないですか~!!この救いのない突き放され感。容赦のない展開。文章に温かみがあるから読めたんだけど、温かみがあるからこそ怖かったです。2012/09/21

nyanco

68
「いっぺんさん」はノスタルジー感のある朱川さんの白系ホラー。他はダークな作品集。「コドモノクニ」は行き場のない子供が…という短編4つ、昔話風に描かれていますが虚しさが胸に突き刺さる作品。「小さなふしぎ」の小鳥のおみくじ、懐かしいなあ。お祭りでコレ、とても楽しみでした。「蛇霊憑き」はザラリとした後味の悪さ…思いっきり黒朱川。「山から来るもの」は優しかった祖母が…というラストシーンが光る黒い作品。「八十八姫」は最後に相応しい余韻の残る素晴らしい作品。ノベルスには「磯幽霊・それから」が載ってるって!読みたい!2010/08/18

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