内容説明
明治元年(1868)12月15日、旧幕府軍は箱館を掌握。松前藩軍を一蹴、五稜郭にて榎本武揚を総裁に蝦夷政府を立ち上げた。海軍奉行荒井郁之助、陸軍奉行大鳥圭介、箱館奉行永井玄蕃、松前奉行人見勝太郎らと並んで元・新選組副長・土方歳三の姿もあった。鳥羽・伏見の戦以来、彼の戦振りをよく知る榎本は、歳三に陸戦の指揮権を委ねていた。その傍らには殺された両親の復讐に燃える美しい娘がいた…。必死の戦が迫っていた。戦の携行食としてパン作りを命じられた松前の和菓子職人が見た箱館戦争とは!?北の大地を揺るがした幕末維新期の凄絶な戦いを描いた、富樫倫太郎渾身の傑作歴史小説。
著者等紹介
富樫倫太郎[トガシリンタロウ]
1961年、北海道生まれ。1998年、第4回歴史群像大賞を受賞した『修羅の跫』(学研歴史群像新書)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ともくん
45
少し、ライトな箱館戦争もの。 自分としては、パン屋が主人公でも良かったと思う。 そうすれば、今までの箱館戦争ものと違う視点で見れたかもしれない。2020/12/30
ねずみこ
11
せっかく苦労して作ったパンは戦場で役立ったのかしらね。。。蝦夷平定祝賀会のシーン、イバハチ登場するまで、「箱舘売ります」とそっくり同じではないか?!土方さん、間違いなく同一人物です。出番は少ないが、この作者の描く土方さんかっこいい。箱舘戦争の描写は生々しいです。2013/05/26
エル
6
同じ作者が書いた『土方歳三(下)』とちらほら同じ文面が出てきたので若干飛ばし気味に読んだ。もっと藤吉を軸にしても良かったんじゃないのかな?あんなにこだわってたあんこがあるんだからあんぱん作るとか。パン作りよりも箱館戦争がメインだったし。まあそのおかげで次は伊庭八郎に興味を持ったのでそっちを読んでみたい。蘭子は仇を討てなかったけどあの最期で満足したのだろうか?2022/01/29
Nobuko
5
図書館本 パンの仕事はやめたのにパンの文字につられて読んだ (;^_^A2024/02/02
み~くま
4
『函館売ります』よりは読みやすかったかも。それに、大好きな歳さまの魅力も十分伝わってきました♪でも、何故パン?!パン作りの過程は雑学的に面白かったし、無事にパンを焼き上げた場面では思わずガッツポーズしてしまったけど、ヒロイン・蘭子さんとは無縁の話だったような・・・( ̄_ ̄ i)まあ、面白かったんだからOKなんですけどね。函館シリーズ、さらに続編が出ているようなんだけど、またまた重複する場面がたくさんありそうなのでちょっと迷ってます。少し時間を空けて、歳さまに会いたくなった頃に読んでみようかな☆2013/10/19