感染夢―Carrier

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 299p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784408534367
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

阿南隼人の従兄・渓輔が、妻と子供二人を道連れに無理心中をはかった。彼は事件の数ヶ月前から悪夢に魘されていたらしい。遺品を整理した隼人は、妙な書き込みのされたメモ帳を発見する。“たしかに彼女にどこかで会っている”“汚染された黒い空気”“顔に黒い痣ができている”―これらは、隼人が最近見る悪夢と共通する内容だった。ある日、彼のマンションに浦添香菜子という女が越してくる。初対面なのに「たしかに彼女にどこかで会っている」気がする隼人。やがて彼の恋人・山際理恵子も、同様の夢に苦しめられていることがわかり…。注目の新鋭が描く、戦慄と怨讐の書き下ろしホラー長編。

著者等紹介

明野照葉[アケノテルハ]
東京都生まれ。東京女子大学文理学部社会学科卒業。98年「雨女」で第37回オール読物推理小説新人賞を受賞。2000年『輪(RINKAI)廻』(文芸春秋)で第7回松本清張賞を受賞し単行本デビュー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

らむちん

38
思った程は怖くなかった。でも、読んでいる途中で同じような夢を見てしまい、目が覚めた後がやたら恐ろしかった(^-^;読み終わった後はタキの不気味な含み笑いを感じた。2016/08/23

ペトロトキシン

20
まず表紙がギーガーが描いたようでとても気に入りました。先祖が犯してしまった出来事が起因となる復讐劇で、一言で片付けてしまえば因果応報。後半読んでいくと、これは復讐されても仕方がない気分になってきて、むしろタキに肩入れしてしまいます。2017/11/02

BUBI

12
面白くないことはないんだけど「ずうのめ人形」などと比べてしまうと「よくある話」感が否めない。明野照葉というこの作家さんは文章がうまくて何でもそれなりに書けてしまう人なんだろうな。だけどホラーならもっとすごいホラーがいっぱいあるから「それなりのホラー」なんて読者の記憶には残らない。小説の本題の部分ではないけど「夏」が昔と違って亜熱帯の夏になってきたというくだり、ここはこの人の独自の視点な気がして共感できた。安易に読者ウケを狙ってホラーを書くよりもこの人にしか書けない何か別のものを書く方が合ってる気がする。2018/12/04

うめけろ

6
怨念がどうとか、個人的には苦手なジャンルなのですが、その苦手意識を超えてのめり込みました。タイトルからして読者にヒントを与えてくれていますので、ストーリーにすいすいと乗ることができました。酷いと言うか、怖いと言うか・・・人間はいつまでたっても過去の罪を忘れ去ってはいけないのかも知れません。ラストは無理にどんでん返しをしなくても良かった気がしますが、ホラー的に収束させたかったのだと思いました。2013/02/07

Junna.S

5
読友さんおススメ本。途中で読み進めるのを止めるのが難しいほど入り込んでしまった。正体の見えない悪夢とその影響力、伝播力に慄きながら一気に読了。ホラーだから怖いのは当然だが、怨念よりも正気を失った人間の方が恐ろしいのではと感じた。夢が感染するということだが、実際には対象者が限られているので、タイトルには少々疑問。磊落な彗寛住職は頼もしくてかっこいいが、もう少しエクソシスト的に難航した長丁場になっても良かったように思う。ラストは先が読めてしまうが、そこがまた一層不気味さに追い打ちをかけていて良いかもしれない。2013/05/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/504141
  • ご注意事項