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キング

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  • サイズ B6判/ページ数 425p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784408534343
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

大学陸上部で同級生だった三人が、オリンピック男子マラソン代表・最後の一枠の選考レースに出場する。三十歳の彼らにとって、これは五輪へのラストチャンスだった。日本最高記録を持ちながら、故障に泣かされ続けた天才ランナー須田は、最高の練習環境に身を置き復活を賭ける。陸連批判をしてチームを去り、四年ぶりに走る武藤は「俺が勝つ」と豪語。そして、優勝経験がなく“勝ち方を知らない”青山の前には、ドーピングを勧める謎の男が現れて…。栄光に挑む男たちを巡る葛藤・執念・陰謀を描く、傑作書き下ろしマラソン小説。

著者等紹介

堂場瞬一[ドウバシュンイチ]
1963年生まれ。茨城県出身。青山学院大学国際政治経済学部卒業。新聞社勤務のかたわら小説を執筆、2000年秋、『8年』(集英社)で第13回小説すばる新人賞を受賞しデビュー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ユザキ部長

103
マラソンは人生の縮図とはよく言いますが、これほどまでに考えさせられるとは。この後読感は堂場さんならではです。人生はいつも十字路だらけ、でも悪魔に魂を売るわけにはいかない。誇りをもって走り続けなければならない。人は強くない。はっきり言って弱い。弱さを自覚したからこその十字路の選択だったのかも知れない。難しい。2015/10/28

chimako

88
悪魔に魂を売り渡す……ドーピングはまさにそんな覚悟で行われるのだろう。「どんなことをしてでも勝ちたい」とも思うのか「卑怯なことはしたくない」と考えるのか。この物語はあくまで個人の意思によるドーピングを軸に3人のランナーを描き出す。金に糸目をつけずに全てをマラソンにかける須田、悪魔の薬に手を出してまで勝ちたかった武藤。その二人を見つめながら自らの動向を決めかねる青山。その青山の弱音と弱気に辟易としながらも一気読み。表題は『キング』一体誰がキングなのかは読み手に託された。スポーツの世界は深い。2015/12/09

ゆみねこ

66
マラソンのオリンピック代表3枠のうち、残り一つを争う選考レース。安定した走りで常に完走するものの優勝できない「青山」、ガラスのエースと呼ばれる「須田」、力はあるのに問題発言で一度は失敗して復活を目指す「武藤」。青山に持ちかけられる執拗なドーピングの誘い。最後はどうなるのかと先を急いで読みました。どなたかの感想にもありましたが、女性記者がどうも鼻について好きになれませんでした。この季節、長距離がテーマの本はやはり心を引かれますね。2015/10/14

真理そら

63
「チームⅡ」で監督として登場するガラスのエース・須田の現役時代の話。日本記録保持者だが故障が多い須田はオリンピック代表の最後の枠を取るために準備している。このチーム須田は「マラソンにここまでお金をかけるか?」と思うほどのもの。同じレースに出場する大学時代の同級生、陸連批判をしたため4年間表舞台に出ていなかった武藤、棄権はしないが優勝もしない万年3位の青山。取材する記者として美奈が登場する。選手生活の終わり迷っている青山視点で話は進む。須田は現役時代から須田だし独身時代から美奈は美奈だなあと思いつつ読了。2024/02/02

みっくす

59
実力はありながらレースに勝ったことのない主人公青山の葛藤、青山に対してドーピングを持ちかける薗田の存在、友人でありライバル須田に対する想いなど、引退間近のマラソン選手の苦悩が描かれており、とても読み応えがあった。レース前から戦いは始まっている、終始己との戦いなんだな。夫が研究していたドーピング剤EPOが出てきて、ふむふむと思ったり知らなかった情報も得らたり興味深かった。青山や美奈のキャラはあまり好きではないのだけれど、チームIIではどんなキャラに成長しているかが楽しみ!てか、チーム・ヒートも再読必要かも。2015/12/03

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