内容説明
都内で起きる連続強盗事件。東北の雪に閉ざされたホテルに無料で招待された6人の若い男女。強盗事件は双子の犯行とわかっていながら、兄弟どちらが実行犯か、警察は立証できない。一方、陸の孤島と化したホテルでは密室殺人事件が起きる。そして再び…。あざなえる縄のごとくに並行する二つの物語は、どこでどう結びつくのか。
著者等紹介
西村京太郎[ニシムラキョウタロウ]
昭和5年、東京に生まれる。公務員生活ののち、数々の職業を経て、創作活動をつづける。昭和38年、『歪んだ朝』でオール読物推理新人賞、40年『天使の傷痕』で江戸川乱歩賞を受賞、推理作家としてデビュー。56年『終着駅殺人事件』の日本推理作家協会賞受賞で推理界に不動の地位を築く。平成13年10月湯河原町に「西村京太郎記念館」をオープン
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
七色一味
26
読破。西村京太郎さんというとイメージは「時刻表&十津川警部』。なので、敬遠していたんですが。これは本格推理小説。最初にトリックを明かしているところも「フェア」。トータル的に見ると、動機の面が弱いかなぁ。あと、犯人が表面的な物の見方しかできないところが、物語全体を薄くしてる感じがします。昔の警察の捜査ってこんな感じ? というのもありますね。まぁ、時代的に無理があるのかも知れませんが、こんなにてっとり早く容疑者を引っ張ったりしないんじゃないかと…。まぁ現代の目で見ると、突っ込みどころ満載ですが、楽しめました。2012/11/18
ふう
16
読んでないと思ってたら再読だった(おーい) 。こういうのが昭和44年の雰囲気なんだろうなーって、いちいち時代を感じながら読了。知らなかったらこれが西村京太郎だとは思わないかも(当たり前か)。「メイントリックは双生児」に騙される異色作。ちょこちょこ引っかかるところはあったが新本格の誰か(誰だよw)にリライトしてもらったら今でも通じそうな気がする。読んで損はない佳作。2011/01/15
おりん
15
面白かった。良作のクローズドサークルもの。二つの事件が交互に語られていくのだが、どこでどう繋がるのか予測がつかず先が気になってどんどん読めた。ミスリードと伏線が上手い作品だと思う。伏線を回収した結果見えてくる真相には意外性があって良いです。ただ、あからさまに犯人を匂わせる記述はあって雰囲気で犯人はわかるものの、論理的に犯人に辿り着くのはほぼ無理だと思います。ちょっとアンフェアかな。2017/03/16
ホームズ
12
西村京太郎ははじめて読みました(笑)山荘の殺人事件と都内での強盗事件がつながって・・・。展開が良かったですね~(笑)双子を使ったトリックは何となく予想はしてましたが良いです(笑)終始警察を翻弄し嘲笑い続けた犯人たちに最後に警察が叩きつけた事実がいいですね。この最後の展開は予想外でしたね。あれがここにも繋がってくるとは(笑)満足行く作品でした(笑)2009/09/28
こだま
10
雪に閉ざされた山奥の宿での殺人と東京の双子による強盗が並行して語られています。『そして誰もいなくなった』も用いられていて面白かったです。2017/09/22