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内容説明
カウンセラーが見つめてきたもの。心がホッとする子ども論。
目次
第1章 私はなぜ心理臨床への道を歩んだのか
第2章 私の心理臨床の仕事
第3章 子どもの「リアリティ」を見つめる―自分を語ること、自分の物語を生きること
第4章 子どもが心の仕事をするとき―思春期の「第二の誕生」と生みの苦しみ
第5章 競争レースからの「脱落」から「脱出」へ
第6章 登校拒否のわが子と向き合う親たち
第7章 競争社会と人間形成
第8章 増加する登校拒否・不登校と行政の対応の問題
第9章 「登校拒否」の登場した舞台背景―高度経済成長期以降の教育と子どもの状況から
著者等紹介
高垣忠一郎[タカガキチュウイチロウ]
心理臨床家。1944年高知県生まれ。1968年京都大学教育学部卒。専攻は臨床心理学。京都大学助手、大阪電通大学教授、立命館大学大学院教授などを歴任(2014年3月退職)。登校拒否・不登校問題全国連絡会世話人代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう。
11
著者は「登校拒否」という言葉には、子どもが何かを拒否している意味を問うものであるとし、それは一人ひとり意味が違うものであると述べています。それは、子どものリアリティを見つめるうえで大切な視点なんだと思いました。現在、登校拒否の子どもたちに対して、一日でも早く学校生活に復帰させることが正しいアプローチのように言われています。しかし、子どもたちは現代社会や学校社会に対して、拒否することで私たちに何かを問うているとしたら、ただ登校を促すだけでは狭いと思いました。考えさせられた一冊でした。2014/10/09
かい
5
登校拒否問題をどう捉えるのか。深い一冊であった。自分が誰であるか。自分の生きる意味や生き方を問い直す時に現代の社会状況には大きな矛盾が起こる。一面的な学力でのみで人の価値が評価され、財界の思惑通りの人材を作り出していく教育システム。こういったことの背景を見極めた上で子どもにしっかりと寄り添っていきたい。2015/01/14
tellme0112
3
登校拒否を火事ではなく、火災報知器に例える。文科省のやり方に痛烈な批判。思春期の子どもを抱える親は思秋期で、親も生き方が問われているというのが心に残る。支える家族のあり方も。著者は女性かと思った。生活者の視点だったから。男性だったことに驚いた。驚いてしまったよ。労組の委員長やってたこともある人ならでは、の指摘もあり。2014/08/27
あゆむ
1
不登校の問題について、家庭教育、教育行政、人間の精神、存在の問題とからめつつ、全体的、ヒューマニズム的な視点から書かれている2015/01/08
キノ
0
「自分という人間を認める」そして、それが認められる環境を親や周辺の大人が作ることの大切さに気づいた。競争社会の否定については、現代でそれを否定し続けることの弊害が確かにあるので、その対処法、自分を認めた人間、競争社会から脱落ではなく、脱出で終わった具体例が欲しかったな、とは思う。 財界が望む「人材教育」ではなく、人が望む「人間を育む教育」が今の子供たちに受けられるよう、社会そのものは変えられなくても、子供たちに出来る事は何かないのか、考えさせられる本だった。2015/07/07