内容説明
舞台は近未来、国と国境制度が廃止され、犬耳・犬尻尾を持つ人類が誕生した世界。とある天才科学者の作った願いの叶う薬から始まる、五つの“愛”の物語―。とある科学者の葬儀に招かれた四人は“願いの叶う薬”をもらう(「プロローグ」)。「君の気持ちは偽物だから」―ジョエルは、結婚式をすっぽかした恋人に意外な告白をされる(「fake lovers」)。芭亜斗は父の遺産の在り処を聞き出すため、兄・祁壜の遺体を掘り起こして“薬”を飲ませるが―(「dear brother」)。五歳児前後の知能しか持たない少年ニコラスと、人間並みの知能を持つ老犬ジョンはいつも一緒だった(「eternal friend」)。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
那義乱丸
27
願いの叶う薬を入手したらどうするか?薬を貰った4人の人間のそれぞれに独立したお話がリンクしていくオムニバス。人間の心に潜む醜悪さといった黒い部分を容赦なく描写する木原節健在。短編ながらどのお話も余韻と呼ぶには重過ぎるほど胸にずっしりくる。願いが叶うと見えてくるモノがどれも切なく悲しくて…。2話の取り返しのつかない真実に涙してたら、一番純粋な願いと思えたものですらすれ違ってしまう3話でさらに涙。話が進むにつれて明かされていく背景という構成もさすが。3月発売の後編が待ち遠しい!2012/02/21
Kaoru
21
木原先生のファンタジーを読むのは初めて。物語によく登場する貧民窟のホープタウンは開発が遅れている設定で、あまり近未来という感じはしない。そして、この作家特有の深い心理描写に惹き込まれ、甘い世界設定でも気にならない。どの話も皮肉な終わり方で、儘ならない結末にはペーソスがあり、心に余韻を残す。 全編を通して性的描写は殆どない。愛の形も、家族愛、兄弟愛、主従愛とさまざまで、登場人物たちはブロイルスの発明した薬に翻弄されつつも真実の愛を見つけていく。BL小説を思わせるのは最初のfake loversくらい2013/06/05
e r i .
19
すごく面白くて夢中になって読みました。が、途中から先に待っているものが怖くて1ページ1ページゆっくりになってしまった。見たい、知りたいんだけど衝撃は受けたくないというジレンマ。広い世界観なのにすごく息苦しい。でも一抹の光は、、、見える。ような気がする。もうそのあるのか無いのか分からないものに縋りたい気持ちになった。おわりの章へ2012/08/03
マッコリ
18
近未来ファンタジー。亡くなった老人の形見分けで願いが叶う薬をもらった四人の若者。オムニバス形式でそれぞれの話が展開されて大きな接点はないと思われていた老人と四人に徐々に繋がりが見えてくる。薬をもらった人ではなく薬を飲まされた人の視点で書かれているのがおもしろい。願いが叶っても幸せになるのは難しい…。切ないなあ。2013/05/05
ムック
17
1つだけ願いの叶う薬…それを使ってしまったが為に起こる幸せと悲劇。どの話もラストが切なすぎて続きが気になるものばかり。しかもダーク、特にニコラスとジョンの話が重すぎるよ…この辺りはさすが木原さんと思ったり。おわりの章では芭亜斗の話の続きも読めるのか~来月が待ち遠しいです。2012/02/09
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- 和書
- 栄光一途 幻冬舎文庫




