出版社内容情報
ドイツのテレビ・ジャーナリスト、デルテ・シッパーが、とあるホスピスで働く専属シェフとその入居者たちに密着取材して書き上げたドキュメンタリー小説。
内容説明
ドイツのテレビ・ジャーナリストであるデルテ・シッパーが、ハンブルクにあるホスピスで働く料理長とその入居者たちに密着取材して書き上げたドキュメント本、邦訳版でついに登場!人生でいちばん価値のあることは何か。充実した一日は、無為に過ごした1年にも引けをとらないといえるのか。我々はどんな最期を迎えたいのだろう。どう生きたいのだろう。死について、また充実した人生を送る秘訣について書かれた感動のノンフィクション。
著者等紹介
シッパー,デルテ[シッパー,デルテ][Schipper,D¨orte]
1960年生まれ。テレビ・ジャーナリスト。ARDドキュメンタリー・シリーズを制作。ドキュメンタリー番組『ホスピスのお抱えシェフ』を共同制作し、同作品でドイツ・ジャーナリスト連盟(DVJ)ハンブルク支部よりエーリッヒ・クラブンデ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小梅
95
ドイツにあるホスピスで働くシェフのループレヒト。たとえスプーンに一杯分だろうと、食べたい物を美味しい物を食べてもらいたいと願うシェフ。シェフのいるホスピス…理想の最後かもしれない。2015/12/24
ホッパー
63
最後に生きる数日間を過ごすホスピス。そこで働くシェフのお話。温かくもあり、寂しくもなるエピソードが、淡々とした語り口で綴られていく。もし自分が最期を迎えるとしたら。または家族の最期を見届けるとしたら。深く考えさせられる本。2020/04/14
fwhd8325
34
生命、人生は尊いものだと、静かに語ってくれた。だからこその食事、それを饗することの葛藤は、美しさと悲しさが背中合わせのようです。命への向き合い方考え方に国民性はあるのでしょうが、最後までこのようにありたいという理想は、しっかり刻みました。2017/09/03
橘
11
感動のノンフィクションだなどと思って読んだら、登場する人々に失礼だ。ただ少しだけ、死に対峙する経験を積んだに過ぎない。原題のほうが内容にしっくりくると同時に、彼我の法律の壁を感じた。2017/01/03
柴モモ
10
『人の寿命を延ばすことはできないが、一日を豊かに生きる手伝いはできる』という理念を掲げるホスピスで働くシェフと入居者のノンフィクション。人生を終える時に、何が食べたくてどんな物なら食べられるのか。両親の入院中の食事を見ていても、必要なカロリーが先にあり、日本の現状では仕方ないけれど、嗜好やその日食べて見たい物などは望むのが無理と言うもの。子供の頃の楽しかった記憶や、家族との思い出に満ちたメニューをもう一度食べて見たい、そんな願いを叶えてくれるシェフがいるホスピス。重いテーマですが読む価値のある一冊です。2012/04/11