内容説明
「あなたが茂を殺したのよ」広告代理店局長の山倉史朗は、狂乱した冨沢路子の前で絶句した―。路子の一人息子茂が誘拐されたのだが、脅迫は、なぜか山倉に向けられていた。犯人は山倉の息子隆史と、近くに住む同級生の茂を間違えて誘拐したらしい。密かに布かれた警察の監視網の中、山倉は身代金六千万円を持って、人質の茂を引き取りに、指定された場所へ向かった。が、犯人との接触に失敗し、翌日、茂は死体となって発見されたのだ。誰が?こんな残酷なことを?やがて浮かんだ容疑者三浦には、アリバイがあった。犯行当日、名探偵にして作家の法月綸太郎と一緒にいた、というのだ…。本格ミステリ界期待の新鋭が贈る、驚愕のドンデン返し。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kagetrasama-aoi(葵・橘)
42
「名探偵 法月綸太郎シリーズ」第四作目。「~の悲劇」と言えばエラリー・クイーンの別名義、バーナビー・ロスの悲劇シリーズが思い起こされ、別の探偵が出てくると思いきや、良い意味で裏切られました……と六年前の感想でも書いています。今作は、誘拐された父親の一人称で語られるストーリー展開。父親の緊張がひしひしと伝わってきて一気読みでした。綸太郎と警視は脇役でしたが、それはそれで良し!ガチガチの本格じゃないけど、サスペンス風味一杯で楽しめました。面白かったです。2022/12/08
takaC
12
面白かったけど重い。1995/06/10
ふう
9
再読。様々な「一」…単なる数字の1だったりオンリーワンな存在であったり(これ以上はネタバレっぽい)…を巡る悲劇を、誘拐事件に巻き込まれた父親の"一"人称で淀みなく描く。今作では探偵ではなく被害者(と呼んでいいのか)が苦悩し、最後に小さな希望を確認する。サスペンスフルで読みやすく、オーラスまでにも軽いひねりのどんでん返しが多数あるので、法月初心者には初期作品の中でなら「頼子のために」よりもこちらがおすすめ。2013/11/06
ぼん
7
なんとも救いようの無いという言葉そのままの物語。「愛」するものを失うという悲劇が「愛」を裏切った事によって引き起こされていく。序盤、誘拐モノ特有のハラハラ感で読み始め、スムーズな探偵登場ぶりに喝采をあげ、終盤の怒涛のフーダニットも十分楽しめました! ・・・が、読了感としては確かに物語に引き込まれ、やるせない気持ちで一杯になるのだけれど、あまりに救いが無さ過ぎて「物語の不幸」に取り付かれて鬱々としてしまった。アリストテレス謂う所の悲劇の効用たる浄化(=カタルシス)を感じる事はなかなかに難しいと実感★★★★☆2012/02/10
aki.s
5
ドラマ化を機に再読。 初読が平成3年だから、もう25年前ということにちょっとびっくり。 2016/10/04




