内容説明
年金生活より、生活保護のほうが高収入?生活保護費の半分以上は、医療機関に流れている?日本人の61人に1人が生活保護受給者?最低限知っておきたい、その実態と矛盾。本書では、この制度にまつわる知識をわかりやすく伝え、問題点の所在を明らかにしていく。
目次
序章 生活保護を受けるにはコツがいる
第1章 生活保護が激増した本当の理由
第2章 生活保護の誤解と真実
第3章 家族4人なら月30万円も、もらえる!
第4章 「餓死者」「不正受給」…生活保護の闇
第5章 病院、貧困ビジネス…生活保護が食い物にされている
第6章 生活保護を必ず受給する方法
第7章 日本の生活保護費はアメリカの1割
第8章 生活保護予備軍1700万人の恐怖
著者等紹介
武田知弘[タケダトモヒロ]
1967年福岡県出身。西南学院大学経済学部中退。91年大蔵省に入省し、バブル崩壊前後の日本経済の現場をつぶさに見て回る。99年大蔵省退官、出版社勤務を経てライターとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
46
生活保護については不当に受給していることもあれば一方では申請も認められず餓死するケースなどが話題になることが多い。しかしそもそも生活保護とは何か、対象となるべき生活の範囲、ルールについて知らないことや誤解していた事が自分自身多いことに気づいた。本書には生活保護の対象となる生活保護予備軍と呼ばれる人が今後いっそう増加することについても触れている。強い者には弱く、弱い者には強い、この構図は昔から変わらないようだ。いつ生活保護を受けなければいけないか分からない世の中、一読して置いた方がよいかもしれない。2014/05/28
うさうさ
32
メディアや小説でよく取り上げられる生活保護。たいていは不正受給とか保護費の増加とか偏った視点で語られる。この本を読んで知らなかったこと、誤解してたこともあり基本の部分から勉強できた。生活保護の半分が医療費とか、他の先進国の中では一番遅れてるとか、なるほどねぇな事があった。持ち家があってもローンがなくて本人が住むなら受給できるという事を知れたのは収穫。2018/04/22
リキヨシオ
17
生活保護を受給している人は210万人…しかし生活保護を受給できるレベルの人は1000万人もいる。そして受給者数と生活保護費は先進国でも最低レベル。一部の不正受給の報道は盛んなのに、実は生活保護自体には関心が低い。少子高齢化に不景気や貧富格差の拡大などに加えて「強い者に弱く、弱い者には強い」という行政の姿勢にも問題があり生活保護費が増える程に自治体の財政が圧迫し、地域によっては申請拒否や保護の辞退など悪質なケースも発生している。不正受給はしやすく、本当に必要な人には渡らない…仕組み自体に問題があると思った。2015/04/13
onasu
13
生活保護の問題を掘り下げるに留まらず、社会全体への提言を為す内容で、読み易い記述と相まって、予想外の良書とみました。 財政赤字の主要因は、90年代に米国の圧力による公共投資であり、社会保障費が、突如、数百兆円もの赤字を生んだ訳でない。 生活保護費の対GDP比は、日本が先進各国に比べ圧倒的に少なく、且つ支給も硬直的。 最も危惧されるのが、非正規雇用の人たちが1000万人規模で、生活保護予備軍で、既に兆候が現れている。 自らのセーフティーネット確認の意味でも、一読の価値のある一冊だと思います。2012/08/31
jupiter68
4
元公務員の方の文章とは思えない。また、客観性にいささが疑問がある書き方です。実態を伝えることはOK、現実の課題の指摘はOK。しかし、著者の書き方だと、さらに生活保護の方が増加し、国や地方の財政を圧迫する事態になってもいいのか?というところが非常に疑問。 2012/08/21