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出版社内容情報
妖怪変化に姿を与えることに一生を賭した江戸中期の絵師、鳥山石燕の代表作『百鬼夜行』4部作を完全収録。各図版に解説を付すほか、総論、解題、文献案内など、妖異妖怪を読み解くための資料も充実。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
267
本書は「画図百鬼夜行」をはじめとする鳥山石燕の4つの夜行図を収録する。鳥山石燕というのは、雅号だろうが、その名の中に2つもの鳥を含んでいる。内容的には妖怪図鑑といったものだ。さて、鳥はといえば天狗(絵は鳶のよう)、寺つつき、入内雀、青鷺火、陰摩羅鬼(絵では鳥の妖怪)、鵺、松明丸の6種を数える。いずれも1770年代の刊行である。けだし、想像力の賜物である。ただし、かように分類し、図鑑化するという営為は妖怪を人間の管轄下に置いたということでもある。また、18世紀はヨーロッパでも期せずして百科全書の時代である。2017/01/10
みや
28
再読。「画図百鬼夜行」「今昔画図続百鬼」「今昔百鬼拾遺」「百器徒然袋」の4作を収録した妖怪画集。京極先生の百鬼夜行シリーズに夢中になった十数年前、勇気を出して(お値段的に)買ったことを鮮明に覚えている。私の妖怪知識のほとんどは陰陽座で構成されており、そこから一段深く学びたいと思いながら、時が過ぎてしまった。ずっと足踏状態であるものの、長年ずっと好きであり続けているとも言える。生霊・死霊・幽霊など、ほとんど差異のないものが別個として描かれているのが結構あって面白い。むっぺっぽうのビジュアルが可愛くて好き。2016/11/27
乱歩太郎
10
画図百鬼夜行、読了。 妖怪妖怪妖怪妖怪妖怪妖怪妖怪妖怪妖怪妖怪妖怪妖怪妖怪って感じ。めちゃめちゃ面白い(笑)鳥山石燕の原画コピーとそれに対する現訳があってありがたかったです。「宝船」とかこれ妖怪なん?てのも多数あり大変楽しめました(笑)2017/04/10
あなた
9
石燕が妖怪を分類したことで、妖怪は「死」「を迎えた。「生かされた」のではなく、しんだのである。妖怪の本質は、その伝承のうねりによって分節=接合することが不・可能なところにあった。イメージさえもだ。モノ・コトに名前を与えることは、それにアイデンティティを与える。しかし、それは同時に拘束でもある。混沌としたうねるようなテクストの戯れはふちどられ、凝固し、意味論的な融通無礙を停止する。わたしたちも意味の大海にゆらめく波線質の胎児だった2009/08/19
王天上
7
すごくモダンで驚く。春信に通じるものを感じた。思いがけなくスクリーントーンの功罪などを考えたり。2017/03/04