出版社内容情報
桐野夏生[キリノ ナツオ]
著・文・その他
内容説明
本当の恋を知らなかった。嫌いではないが、夫とはぎくしゃくしている。出会った男は、夫とは対照的だった。ベストセラー『ハピネス』、欲望と熱情の第2ステージ。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
576
2018年刊、桐野夏生の近著。かつて『OUT』で描いたような、追い詰められた、しかもそれでいて情念の滾る人物たちと、ひりつくような物語はどこに行ってしまったのか。あの頃の桐野に比べると、本書は何とも甘ったるい。特に主人公の有紗と、彼女の親友ともいうべき美雨ママ2人の結末が。これでは何を問いかけたのかわからない。桐野夏生も老いて情熱を失ったのか。あるいは、たまたま本書は次なるステップへの過渡的な作品なのか。プロの作家だとて、すべての作品が満足のいくものであるとは限らないだろう。 2019/11/07
starbro
387
桐野夏生は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。5年程前に読んだ『ハピネス』の続編、豊洲タワマン不倫恋愛小説でした。著者にしては、ポイズンもサプライズもなく、たんなる不倫恋愛小説でした。豊洲のタワマンは不倫の巣窟のようです。だから人気があるのでしょうか?芸能人も一般人も、どうして手近ですませようとするのでしょうか?2018/07/03
のり
272
おいおぃ、それでいいの?って言いたい。母であることより女を選ぶ「有紗」や「洋子」。好き勝手しながら腰が引ける男達。なんとも浅はかで振り回す。犠牲になるのは無垢な子供達。いくらタワマンがセキュリティがしっかりしていても、夜に子供一人置いて外出する有紗は全てにおいて失格。ここまでくると救いようがない。「高梨」との関係も悪化したら懲りずに次に向かうだろう。後味が悪いのに桐野作品は中毒性がありやめられない。2019/04/18
ウッディ
272
美雨ママとイブパパが不倫して・・前作「ハピネス」を読んでいないためか、この世界に入り込むのに時間がかかってしまった。子供のママとして互いを呼び合いながら、嫉妬や恋愛感情を露にする一人の牝として生きるママ友たちの微妙な関係をグイグイ読ませていく桐野さんの文章はさすが。前の離婚で息子と離れ離れになる辛さを経験しながらも、高梨への愛情を抑えきれない有紗。登場人物に感情移入できないのに、彼らから目を離せないのは、自分にも同じような闇の部分があるからだと思う。破滅の先に見えるものを知りたい。そんな小説でした。2019/01/04
うっちー
202
よくわからない世界でした2018/08/11