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サイレント・マイノリティ―難民調査官

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  • サイズ B6判/ページ数 271p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784334911614
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報



下村敦史[シモムラ アツシ]

内容説明

新宿の路地裏で殺されたシリア人の男性。彼の妻は事件以後、未だに行方不明のままだという。フリージャーナリストの山口秋生は彼と交流のあったアルバクル一家の取材中、隣に住むシリア人の親子が東日本入国管理センターに収容されていると知る。一方、東京入国管理局の難民調査官・如月玲奈は、シリアから逃れてきた父と娘に聞き取り調査を行う。難民認定を切実に訴える父に対して娘は、「お父さんは日本に住みたくて嘘の話をしています」と異なる証言をする。どちらかが嘘をついているのか?困惑する玲奈の元に来た山口の取材申し込みから、事態は誘拐・脅迫事件へと発展していく―。乱歩賞作家による、疾風怒涛の最新ポリティカル・ミステリー!!

著者等紹介

下村敦史[シモムラアツシ]
1981年京都府生まれ。1999年に高校2年で自主退学し、同年、大学入学資格検定合格。2006年より江戸川乱歩賞に毎年応募し、2014年に9回目の応募となる『闇に香る嘘』で第60回江戸川乱歩賞を受賞。デビュー作ながら「週刊文春2014ミステリーベスト10」国内部門で2位、「このミステリーがすごい!2015年版」(宝島社)国内編で3位にランクインした(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんたろー

230
シリーズ2作目。シリア難民を主軸にした内容で、外交問題や社会情勢を盛り込んでいて深く考えさせられた。相変わらず登場人物の心情が伝わり難い欠点があるが、様々な問題点を挙げて私たちに問いかける下村さんの熱い想いは伝わってきた。特に「正義は立場によって変わる」という答えのない命題が悩ましい。カウンター的存在の山口を使った「結論ありきの報道姿勢」に対する批判も、今日の日本が考えなければならない事だろう。時系の叙述トリックは巧く決まったが、最後の「指切り」のエピソードはオンで描いたら感動できたのが惜しいと思った。 2018/08/11

ナイスネイチャ

196
図書館本。今回はシリア人難民。アサド政権などキーワードで知っているだけ。SNSなどの画像加工などちょっと信じがたい事実に衝撃を受けました。報道の在り方、日本のテロ対策など勉強になりました。2017/05/31

いつでも母さん

175
難民調査官・如月よ、今回はどうする?下村作家これまた難しい題材を取り上げましたね。平和大国・日本に生きる私たちには別の世界のことー【難民】を知らない、知ろうとしない。キナ臭い国際情勢の中で中東・イスラム圏の話は私自身腰がひけての読書になった。シリアからの少女・ラウアちゃんが助かって何よりではあったが、日本の中でのジャーナリズムのあり方?煽り方?とでも云おうか、一体どこに、誰に真実はあるのだろう。そして、導かれる自分自身にうすら寒さを覚えて読了した。難しいと云って避けていてはいけないんだろうな・・2017/05/19

ダイ@2019.11.2~一時休止

165
難民調査官その2。伏線が見事に回収されていく展開がイイです。自分が正義だと思うことでも偏った報道はダメなんだよなぁと実感。2017/05/10

あすなろ

140
玲奈は、本当に大事なものは何か、何を重視すべきかを常に考えている。そんな難民調査官シリーズ第2巻。超然と本当を掴もうとする彼女の視点がこのシリーズが描く混沌に輝く。そして、様々なこの国の難民や移民に対する問題点を炙り出し、読者に提示し、考えさせる点で稀有な貴重なる存在だと思う。そして散々読者に考えさせた後、この国はテロリストが住みやすい国だと読者にラストに突きつけた。それは、欧米ではテロを計画したらそれだけで逮捕だからだと結ぶ。計画実行なくては手出し出来ない故。正しく今について読者を撃つ一冊となった。2017/05/31

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