内容説明
世紀の傑作『夜の果ての旅』で左右両陣営から一躍脚光を浴びたセリーヌは、その後の反ユダヤ主義的政治パンフレによって「呪われた作家」となった。『テル・ケル』誌の前衛的な作家であり今やフランス文学界に君臨するソレルスは、最も早い時期からのセリーヌの読者であり、最後までセリーヌ散文の「小さな音楽」の逆説を擁護し続ける。彼の手際をご覧あれ。
目次
セリーヌの笑い
セリーヌの戦略
鍵盤をたたくセリーヌ
永遠に人前に出せない作家
セリーヌ誕生
スケープ・ゴート、セリーヌ
セリーヌの数々の人生
「オペラが自然」
デンマーク人はセリーヌを救ったか?
地獄に墜ちたセリーヌ〔ほか〕
著者等紹介
ソレルス,フィリップ[ソレルス,フィリップ][Sollers,Philippe]
1936年生まれ。1958年の『奇妙な孤独』で注目され、1960年からは雑誌『テル・ケル』の中心人物として、多くの実験的小説を執筆。1982年以降はガリマール出版に移行、作家としてだけでなく、編集者としても若手発掘などに貢献している
杉浦順子[スギウラヨリコ]
1971年生まれ。青山学院大学文学部フランス文学科卒業。神戸大学大学院文学部博士課程単位取得満期退学。2009年5月、フランス・ルーアン大学博士課程修了。専攻は近代フランス小説、中でもルイ=フェルディナン・セリーヌ。現在、神戸大学ほか非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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