出版社内容情報
乱視読者、一段とパワーアップ((第55回読売文学賞[随筆・紀行賞]受賞!)して、新たな冒険へ!
小説を読むのは、つねに冒険である。通勤電車で吊革につかまっていても、湯船につかっていても、便器にまたがっていても、寝床の中でも、本のページを開くだけで、わたしたちは見たことのない場所に移動できる。会ったことのない人物にめぐりあえる。たった一度の人生では体験できないような、無数の生を生きること。それはどんなにささやかなふるまいであっても、冒険の名に値するものだ。(若島正)
著者紹介/著者による他の著作等
若島 正(わかしま ただし)
1952年、京都市生まれ。英米文学専攻。1975年、京都大学理学部卒業。1980年、同文学部卒業。1982年、同大学院文学研究科修士課程修了。現在、京都大学大学院文学研究科教授。著書に、『乱視読者の英米短篇講義』(研究社 、2003年、第55回読売文学賞[随筆・紀行賞]受賞)、『乱視読者の帰還』(みすず書房、2001年)、『盤上のファンタジア』(河出書房新社、2001年)、『盤上のパラダイス』(三一書房、1988年)など、訳書に『ナボコフ=ウィルソン往復書簡』(共訳、作品社、2004年)、ウラジーミル・ナボコフ『透明な対象』(共訳、国書刊行会、2002年)、ウラジーミル・ナボコフ『ナボコフ短篇全集』(共訳、作品社、2001年
第I部 乱雑な本棚
蛾の思想――『アンナ・カレーニナ』を読む/にゅるにゅるの話/音の粒
鉛筆が一本/穴の記憶、記憶の穴/青春の短篇小説あるいは短篇小説の青春
物語との旅――グレアム・グリーン追悼/グリーンと演劇的瞬間――『叔母との旅』公演に寄せて/ブラウン神父の犯罪――井上ひさし編『「ブラウン神父」ブック』/クリスティと麻雀の夕べ/戦後アメリカ小説の百冊/カーヴァーについて語るとき我々の語るべきこと/銀幕の裏側――ハリウッド小説の背信/幻想文学を読み解く十冊/世界の果てとハルキ・ワンダーランド/X氏を探して/書評の文体練習――ウンベルト・エーコ『エーコの文体練習』/カム・カム・エブリボディ――『フィネガンズ・ウェイク』を巡って/カメのための音楽
第II部 大学の迷い猫
書物の森のなかへ/小春姐さんへの手紙/二十年後/新しい人よ眼ざめよ/教壇に死す/わたしの知ったこと
第III部 タイム・マシン文学史
失われた町/未来の言語/見えない小説/不完全な機械/読みすぎた男/ゼロ時間へ/流れる歴史/消滅する部屋
第IV部 『ロリータ』の余白に
失われた父ナボコフを求めて/デニス・ポッターと秘密の部屋/レム、ボルヘス、ナボコフ/
内容説明
乱視読者、一段とパワーアップ(読売文学賞受賞)して、新たな冒険へ!『乱視読者の英米短篇講義』(第55回読売文学賞随筆・紀行賞受賞)につづく待望の新刊。
目次
第1部 乱雑な本棚(蛾の思想―『アンナ・カレーニナ』を読む;にゅるにゅるの話 ほか)
第2部 大学の迷い猫(書物の森のなかへ;小春姐さんへの手紙 ほか)
第3部 タイム・マシン文学史(失われた町;未来の言語 ほか)
第4部 『ロリータ』の余白に(失われた父ナボコフを求めて;デニス・ポッターと秘密の部屋 ほか)
リチャード・カウパーのために
著者等紹介
若島正[ワカシマタダシ]
1952年、京都市生まれ。英米文学専攻。1975年、京都大学理学部卒業。1980年、同文学部卒業。1982年、同大学院文学研究科修士課程修了。現在、京都大学大学院文学研究科教授。著書に、『乱視読者の英米短篇講義』(研究社、2003年、第55回読売文学賞随筆・紀行賞受賞)などがある
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