内容説明
物語はヒトとロボットを超える。SF作家が目指す、究極の「ロボット学」とは。
目次
第1部 ロボットは未来のかけら―二〇〇二年~二〇〇四年(SFとロボティクス;「ロボット学」の新たな世紀へ―アシモフ「ロボット工学の三原則」の受容と発展)
第2部 デカルトの密室を解き明かせるか―二〇〇五年~二〇〇六年(『デカルトの密室』特別講義;オリジナルとコピーのはざまで―ゴーストが宿る場所;『デカルトの密室』/二一世紀本格/クイーン)
第3部 ゴーストの信頼と勇気―二〇〇六年~二〇〇七年(ためらい迷うロボット;「境界知」とVR;「未来からの声」が聞こえるか?)
第4部 ロボット学創成(ロボット共存社会とヒューマニティ)
第5部 物語がヒトとロボットを超える―二〇〇八年(呼吸と生命と物語について―21世紀は科学が文学となるのか、文学が科学となるのか?)
著者等紹介
瀬名秀明[セナヒデアキ]
1968年静岡県に生まれる。1996年東北大学大学院薬学研究科修了。薬学博士。現在、東北大学機械系特任教授。日本薬学会・日本推理作家協会ほか所属。著書『パラサイト・イヴ』(角川書店、1995年、第2回日本ホラー大賞受賞)、『BRAIN VALLEY』(角川書店、1997年、第19回日本SF大賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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晴れの国のにっしぃ
33
ホラー(『パラサイト・イヴ』はこの分野になるらしい)&SF作家である瀬名秀明氏のロボティクス(ロボット学)に関して書き、語った論考をSFを絡めてまとめてある。やはり『アトムの呪縛』に囚われ続けている私たちの世代には、どストライク。ちょっと難しいところもありますが、興味深く読ませてもらいました。瀬名氏の考えるロボット学のおさらい&お勉強をしたので、本書の中でも取り上げられている瀬名氏の作品、『八月の博物館』・『ハル(“あしたのロボット”改題)』・『デカルトの密室』などを再読したくなりました。2010/11/25
ぐうぐう
8
ここ数年、ロボティクスを追求し続けている瀬名の、ロボット関連の発言と論文を時系列で収めた論集。そもそも、ロボットを作ろうとするときに避けられないのは、心とは?意識とは?自己とは?といった定義の問題なのだが、そのどれもが未だはっきりと定義されてはおらず、つまりロボットを考えるということは、人間を、そしてこの世界そのものを考えるに等しいことに気付かされる。今年読んだ中で、一番刺激に満ちた本だった。2009/07/08
roughfractus02
3
本書は、ロボティクスの歴史をフランケンシュタイン・コンプレックスに由来するアシモフ「ロボット工学の三原則」以後の変容として辿る。そこから著者は、2つのクイーン問題(探偵の解決は真の解決かという非決定論と探偵は神のごとく振る舞えるかという決定論)、ロボットが人間に似るほど人間側が違和感を持つ「境界知」の問題(通称「不気味の谷」)の両者を、ロボットの身体の物語性、人間の身体の物語性、さらに物語の身体性から検討する。工学と文学からロボットに接近するロボット学は、身体の構成の側から人間とは何かという問いを立てる。2020/06/01
zope
3
人間を定義しなければロボットを作れないというの矛盾に対して研究者達の取り組みを瀬名秀明というフィルターを通して語られています 人間の定義をあまり突き詰めすぎても形而上的にしかならないし、突き詰めなくても取り合えず動くものは作れるのだとは思う。でも、実際に物を作るうえでの建前というかビジョンは必要になるので実装とのバランスが重要なんだろうなあ2009/09/20
Prussian_Blue
2
ロボットにまつわる歴史を概観したい場合、本書より『ロボット・オペラ』の方が良い。本書は著者自身の考え方が詳説されており、また著者の他の著作(小説)を下敷きにして論が展開されている部分がかなりあるので、著者自身のロボット観に興味がある方向け。個人的には納得しきれない見解や、著者は否定的だけど自分はむしろそっちの仮説に興味あるなと思う部分もあるが、そういう自分の立ち位置がどこにあるのかを発見できたのもロボットと真摯に向き合う瀬名さんあってのことなので、ロボット好きの読書好きはもう全員この人を拝んでおこうぜ。B2012/11/06




