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大人のための数学
広い世界へ向けて―解析学の展開

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  • サイズ A5判/ページ数 182p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784314010436
  • NDC分類 413
  • Cコード C0341

出版社内容情報

より深く、より広く、数学の自由な翼には果がない──。コーシーとフーリエ、対照的な発想で解析学の新世界を切り拓く!
微分と積分を手にした数学者たちは、どこへ飛び立つのか。 コーシーは、複素数を導入することで、関数の深い森へ。かの天才オイラーの公式も登場! フーリエは、関数のグラフを三角関数の波で表わすことで、コンピュータの中へ。 対照的な発想で解析学の「新世界」を切り拓く数学者たちが見ていたものとは──。

「数学がわかった!」という喜びは、人生の歓喜に通ずる。
想像力の翼と直観力で読む「大人のための数学」、第4巻刊行。
ついに天才オイラーの登場! 
関数の森へ、現実の広い世界へ

虚数iと円周率π。この謎めいた記号が、天才オイラーによって
ひとつに結びつけられる。
18世紀、オイラーは、虚数iでもって指数関数と三角関数が手を
結ぶ公式を発見し、同じく円周率πと自然対数の底eが、自然数
である0と1に、虚数iでもって結びつくことを見つける(この
公式は、かの有名な物理学者のリチャード・ファインマンをして
「人類の至宝」「数学において最も特筆すべき公式」といわれる)。
やがて19世紀、コーシーとフーリエは、対照的な発想で解析学の
新世界を切り拓く。解析学とは、数と数の関係である「関数」を調
べること。コーシーは、複素数の関数を微分すると、巾級数に展開
できることを見つけ、関数の深い森へ入っていく。一方、フーリエ
は、グラフに注目し、すべての変化を三角関数の無限級数の波とし
て表わせることを見つけ、現実世界の解析に立ち向かう。

内容説明

数と数の関係である関数―微積分の創造は、しだいに「関数とはなにか」を問うていく。かの天才オイラーは、虚数でもって三角関数と指数関数が手を結ぶ公式を発見した。そして、コーシーは複素数の関数を微分すると、必ず巾級数に展開できることを見つけ、関数の深い森へ入っていく。一方、フーリエは、グラフの広がりを積分としてとらえ、すべての変化を三角関数の無限級数の波として表わせることを見つけ、現実世界の解析に立ち向かう。より深く、より広く、数学の翼には果てがない。

目次

関数への2つの視点
第1部 解析学の展開―実数から複素数へ(高階導関数と巾級数;オイラーの公式と複素数の導入;複素変数の関数;コーシーの定理)
第2部 より広く―ゆれ動く波、広がる波(三角関数の広がり;フーリエ級数;積分的世界)

著者等紹介

志賀浩二[シガコウジ]
1930年に新潟市で生まれる。1955年東京大学大学院数物系修士課程を修了。東京工業大学理学部数学科の助手、助教授を経て、教授となる。その後、桐蔭横浜大学教授、桐蔭生涯学習センター長などを務めるなかで、「数学の啓蒙」に目覚め、精力的に数学書を執筆する。現在は大学を離れ執筆に専念。東京工業大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kenitirokikuti

7
図書館にて。ニュートンやライプニッツが発明した微分積分は、ベルヌーイ兄弟やオイラーらが発展させる。ラグランジュはダランベールへの手紙の中で、この分野は誰かが新しい鉱脈を見つけないと見棄てられるかも、と危惧した。コーシーの複素解析学と、フーリエの実解析学が解析学を進歩させる。前者は実数から複素数となることで、ニュートン的な時の流れが消える。関数論となる。後者は関数のグラフは波動の表現とみる▲複素数にすることで、関数を複素から複素への写像となる。暗いのでこのポイントをはじめて掴んだよ…2021/12/11

galoisbaobab

2
かれこれ3回目かな。大学時代には解析学って敬遠してたので自分育て直し。複素関数の微分可能性ってもはやグラフの傾きっていう具象性を失ってコーシー・リーマンの綺麗な関係式に着地するのは萌えるよね。世界を波打つグラフとして全体を積分で捉えるフーリエの方はいっつもお世話になっているので復習ってことで。このシリーズはフツウの生活に物足りなさを感じる大人のためのステキな教科書です。2015/02/13

Empirestar

1
指数と三角関数の関係をつないだオイラーの公式、複素関数の微分から巾級数との関係を発見したコーシー、グラフの広がりを三角関数の組み合わせで表現できることを見つけたフーリエの功績などが楽しく描かれている。解析学の面白さを、豊富な例を利用して示したいい本。2009/03/03

Retty

0
複素関数解析はこの先、孤立特異点や留数といった更に奥深い内容が待っているが、本書はその入り口までを示している。グリーンの定理まで踏み込んでもよかったかなあ。2017/09/13

ピリカ・ラザンギ

0
前巻は集合論だったが、また関数の話に戻る。コーシーとフーリエの仕事について。 実数を複素数に拡張した、平面上での話は、定義域が数直線から領域へ広がる。 そして、正則関数の線積分から関数の無限微分が現れ、関数がべき級数として表される。  一方、フーリエは、三角多項式から、周期2πで関数がフーリエ級数によって表されることを示した。 前巻の抽象的な話から、数式がでてきたので、ペンを動かせばわかりやすいかも。でも、複素積分は難しい・・・。2012/10/07

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