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大人のための数学
変化する世界をとらえる―微分の考え、積分の見方

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  • サイズ A5判/ページ数 177p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784314010412
  • NDC分類 413.3
  • Cコード C0341

出版社内容情報

君は微積分の真のおもしろさを知っているか。
変化の細部にこだわり瞬間・瞬間の変化をとらえる微分。変化を遠くから眺め変化の全体像をつかもうとする積分。微積分によって人類は「変化し流転する万物」を視る眼を手に入れたのだ。
微積分の真の面白さに迫るとともに、「変化するものはすべて関数へ」という数学の大きな思想を形成していく革命の様子を眺望する。

「微積分」の翼で、広い世界へ向けて自由に羽ばたく様子を伝えたい

「万物は流転する」とは、紀元前のギリシアに生きたヘラクレイトスの言葉といわれる。自然も生きものも、そして経済も、変化する。その「変化の相」をいかにつかまえるのか。多様に変化する世界をいかにして記述するのか。
微分と積分を手にしたことで、人はこうした「変化する世界」と正面から向き合い、大量に記述することを開始したといってよいだろう。時代は17世紀、ニュートン、ライプニッツが登場する頃のことである。「データをとる、グラフにする、グラフをにらみながら関数へ、関数とグラフを視る眼は微積分…」。
微積分が他の数学(算数や幾何など)とくらべてまったく違う印象があることは、人文系の人も含めよく知られているようである。ではどこが違うのか。微積分について書かれた本は多いが、本書は、微積分の考え・見方の誕生から説き起こし、この「道具」が世界を視る眼を激変させたばかりか、ひとり歩きを始めた微積分が関数の世界を席巻し、「静かな革命」を起こしていく様子を眺望する。
「変化するものはすべて関数へ」、これこそが数学の大きな思想を成していく。関数は微積分によって「開いた世界」として羽ばたいていく。

紀伊國屋書店の出版部より、この秋期待の、シリーズのご案内です。
これまで数学啓蒙書の範疇を飛び越え、人文系・自然系の枠も超え、
大人の方こそ本物の数学が理解できるという確信と願いを込め、
お届けするものです。
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数学の翼で、時を超え、無限の空へ――

■シリーズ「大人のための数学」刊行に際して

紙と鉛筆さえあれば、数学はいつでもどこでも始められる。
試験や成績とは関係のない、数学本来の世界を学びたい。
数学が「わかった!」という喜びは、ほかの何物にも代えがたい、
人生の歓喜に通ずる。その喜びをもう一度、味わいたい。
数学は6000年に及ぶ人類の叡智の産物……数学という翼で、
時を超越して先達者と同じ喜びを共有できる。
数学はひとりで思索を深めるのに、最高の友。
名曲を聴くかのように、想像力は身近な世界から
宇宙へと飛び立っていく。
森の小道を辿るうちに、美しい花を愛でる、小鳥のさえずり
に耳を傾ける、山の頂上から景色を眺望する、
そんな大人のための数学の啓蒙書があっていい!!

■シリーズ概要と各巻の予定
1巻 数と量の出会い――数学入門
2007年11月13日刊行・定価1785円・176頁・ISBN978-4-314-01040-5
現代社会は数学の「果実」に満ち溢れている。情報洪水の中、確かな数学の眼を持ちたい――数学の誕生を、「数と量の出会い」の視点から説き起こし、分数と小数、0と負の数の導入、無限の海のなかの実数、時間の流れと関数概念の誕生まで、広い視野で描く。数もまた時代の産物、社会から急速に分数が消えていっているわけを解き明かす。

2巻 変化する世界をとらえる――微分の考え、積分の見方
2007年12月18日刊行・定価1785円・180頁・ISBN978-4-314-01041-2
変化の細部にこだわり瞬間・瞬間の変化をとらえる微分。変化を遠くから眺め変化の全体像をつかもうとする積分。微積分によって人類は、「変化し流転する万物」を視る眼を手に入れたのだ。
微積分の真の面白さに迫るとともに、「変化するものはすべて関数へ」という数学の大きな思想を形成していく革命の様子を眺望する。

3巻 無限への飛翔――集合論の誕生
2008年2月末刊行予定・定価1785円・168頁・ISBN978-4-314-01042-9
無限が無限を生む、無限には果てがない――無限の上にさらにそれを上回る無限がある、ということを一体だれがなんのために構想したのか。集合論は、天才カントルひとりの頭脳でもって生まれたといってよい。今から約百数十年前のこと、哲学者や宗教者も含む周囲の反発の中、カントルが歩んだ孤独な思考の足跡をたど。

4巻 広い世界に向けて――解析学の展開
2008年6月刊行予定・定価・頁数未定・ISBN978-4-314-01043-6
19世紀数学の二つの流れを説明する。①純粋数学の流れ。コーシーは複素数を導入することで、「量の世界」から完全に離れた「数の抽象的な世界」へと羽ばたき、解析関数学の世界を開花させる。②応用数学の流れ。フーリエ解析の誕生。フーリエは、さまざまな変化が、三角関数を用いることで波の合成として表わせ、同じ土俵の上で扱いうることを示した。

5巻 抽象への憧れ――位相空間:20世紀数学のパラダイム
2008年夏刊行予定・定価・頁数未定・ISBN978-4-314-01044-3
 集合論から位相空間へ。「近さ」(距離)という概念が、空間を飛び越え、集合の中で論じられる理論ができた。さらに「近傍」という概念で、部分集合どうしの関係が見えてくる。数学のさまざまな分野の対象が比較され、論じられることを可能にした。最も抽象度を上げた数学という世界の中に、「近さ」という具象的な姿が現れた。これこそが20世紀数学の革命である。

6巻 無限をつつみこむ量――ルベーグの独創
2008年秋刊行予定・定価・頁数未定・ISBN978-4-314-01045-0
 0から1までの線分を考える。ここから有限個の点を取り除いても長さは変わらず1。では、無限の点(有理数)を取り除いたら、無限の無理数が残るが、長さという概念は消えてしまうのだろうか。ルベーグは無限の小さな線分を使ってこれを測る方法・理論を構築。さらにこれを二次元に拡大。
ルベーグ(積分)によって、(有限の)面積が無限の中で測られる不思議さ。

7巻 線形という構造へ――次元を超えて
2008年冬刊行予定・定価・頁数未定・ISBN978-4-314-01046-7
「線形性」という性質は「数をたす、かけるという演算ができる」こと。
この「数」を「関数」に置き換え、「線形性(写像)」を使うことで、関数のつくる有限次元の空間の性質のみならず、無限次元の空間の性質をも論じられる。ヒルベルト空間、バナッハ空間の誕生…。
無限と有限の橋渡し、代数と解析学が手を結んだ瞬間。

著者紹介
志賀 浩二
1930年に新潟市生まれ。東京大学大学院数物系修士課程を修了。東京工業大学名誉教授。
「数学の啓蒙」に目覚め、精力的にユニークな数学書を書いている。
シリーズをまるごと書き下ろした著作に『数学30講シリーズ』(全10巻、朝倉書店)、『数学が生まれる物語』(全6巻)、『数学が育っていく物語』(全6巻)、『中高一貫数学コース』(全11巻)、『算数から見えてくる数学』(全5巻)(以上、岩波書店)があり、『大人のための数学』(全7巻予定、紀伊國屋書店)を執筆中。

内容説明

変化の細部にこだわり瞬間・瞬間の変化をとらえる微分。変化を遠くから眺め変化の全体像をつかもうとする積分。微積分によって人類は、「変化し流転する万物」を視る眼を手に入れたのだ。微積分の真のおもしろさに迫るとともに、「変化するものはすべて関数へ」という数学の大きな思想を形成していく革命の様子を眺望する。また、球の体積と表面積の公式、円の面積と円周の公式が微積分を使って導かれることも明らかにする。

目次

1章 微積分へのプレリュード
2章 微分法の展開
3章 三角関数、指数関数、対数関数
4章 微分のひろがり
5章 面積と定積分
6章 微分と積分

著者等紹介

志賀浩二[シガコウジ]
1930年に新潟市で生まれる。1955年東京大学大学院数物系修士課程を修了。東京工業大学理学部数学科の助手、助教授を経て、教授となる。その後、桐蔭横浜大学教授、桐蔭生涯学習センター長などを務めるなかで、「数学の啓蒙」に目覚め、精力的に数学書を執筆する。現在は大学を離れ執筆に専念。東京工業大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

翔亀

39
【真理鉱山5数学篇4】本書はいよいよ微積分。範囲はほぼ数Ⅲあたり、微分方程式の入り口まで。いつも読書はリクライニングチェアで半ば寝転んで読むのだが、久しぶりにテレワーク用に設えたワーク机で読むことになった。式を書いて演算する羽目になったからだ。遥か昔の受験勉強時代を思い出してしまった。とはいえ本書は読者に強いる演算を最小限に抑えている(練習問題は皆無だ)。演算をマスターするには問題を解くのが必須だが、本書の目的はそこにはないからだ。証明はきちんとしている上に、それを直感的な解説をし文章で理解させようと↓2021/02/28

kenitirokikuti

3
図書館にて▲普通の微分積分の教科書では、はじめに指数関数そして対数関数を扱う。対数関数の定義にはeという数が必要だからである。しかし、歴史上では対数が先に登場している。対数関数は、y=1/xのグラフの面積として表れる▲「2π」や「2+π」これは受け入れられる。しかし、「2^π」になると戸惑うひとは多い。冪(べき)が四則演算のように自由に扱えるのは関数のレベルだから。2^xという関数の、x=πのとき、2^πとなる▲1748年オイラー『無限解析入門』がeやe^xを産む。…2021/12/11

Retty

1
微分積分を高校の教科書では書ききれていないところまで触れている。全巻に続き、区分求積に誤植あり(第1章のみ)。2017/09/09

ピリカ・ラザンギ

1
微積分の話なのだが、自然対数eを抽象的な記号ではなく、無理矢理でも小数で表し、その変化の具合を実際に把握できるようにしてあるところが珍しく感じたし、変化の具合をみるためにはよいと思った。本の最後に、マルサスが「人口論」で微積分を使っていたことに触れている。微積分が昔から数学以外の分野にも使われていることが示されていたのも良かった。高校数学の範囲なのだが、後半は教科書っぽい・・・。ニュートン力学にもうちょっと言及して欲しかったかも。2012/09/20

かむかむレモン

0
★★★。2012/10/06

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