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芸術における数学 (復刊版)

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  • サイズ A5判/ページ数 131p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784314008730
  • NDC分類 701
  • Cコード C0070

出版社内容情報

芸術における数学的概念の役割を探る

芸術と数学とは、いかなる共通点を有するか。パルテノンの対称性からリヒテンシュタインの幻想的「ピラミッド」の単純性まで、主に視覚芸術を対象に、芸術創造における〈シンメトリー〉〈プロポーシ ョン〉〈ハーモニー〉などの数学的概念の役割を探りつつ、人間の創造行為の不思議な符合を鮮やかにとらえる。知的スリルに富む、エキサイティングな小篇。

内容説明

数学と芸術は、どのような共通点をもつであろうか。一般に、絵画や彫刻は目で鑑賞し、感性的に反応するものであり、数学は頭脳と知性で対応するものだ、と言われる。確かに、このような側面もある。しかし、感性と知性という両極端に、これほどはっきりと裁断できるものであろうか。本書は、これらの問題に答えて、パルテノン神殿から現代の抽象芸術まで主に視覚芸術を対象に、そのなかに数学的思考・精神の流れをさぐろうとする。たとえば、シンメトリー、ハーモニー(調和)、プロポーション、運動、構造などの概念を、文化史的・精神史的に考察する。読者は、本書のこのような考察を通じて、人間の創造行為のすばらしさに驚嘆されるであろう。知的スリルに富む、エキサイティングな小篇である。

目次

2つの文化
視る者の目
神聖なプロポーション
両手ききの美術
芸術と数学における構成主義

著者等紹介

ホルト,マイケル[Holt,Michael]
“ロンドン大学で物理学を学ぶ。彼の職歴には、産業界での研究、大学教師、教育関係の出版業などが含まれている。彼は最近までロンドンのゴールドスミス教育大学で数学の講師をしていた。1969年-1970年にBBC放送で教育番組Maths Workshopに参画した。《What is the New Maths?》《Mathematics Through Experience》《Science Happenings》の著者であり、現在(1971年)、カナダで数学に関する映画を製作中である。彼は特に聖画像の形式での数学的な考えかたの交流に興味を抱いている…”
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

irai

2
芸術と数学の関係に焦点をあてた本。図版が豊富なのもいい。カラーならもっとよかったとも思うが、白黒の方が作品の幾何学的性質を明示できているのかもしれない。古今東西、数学の真理を芸術の実践に応用した芸術家は多い。ただ、どうやらこの”応用”が肝らしく、芸術を公式にそのままあてはめても望ましい解が得られるとは限らない。「デューラーの考案になる文字'A'がもつ字体の魅力の一部は、彼が作り出した僅かな非対称性にある。」(p.101)少なくとも、両者が”うつくしいもの”を求めているという点は共通していると思う。2015/02/04

中島晋作

1
この本の冒頭に、以下のような記述がある。 「(芸術と数学とを指して)前者はわれわれが目で鑑賞し、感情で反応するものであり、後者は頭脳と知性で対応するものだ。」本当にそうか?たとえば岡潔のエッセイを読んだことのあるものは、この著者の意見に素直に同意できるだろうか。上の引用中の「前者」と「後者」を入れ替えても、そこに違和感はないと私には思われた。たぶんこのようなテーマをテーマとして成立させるのって難しいんだろうな。宗教的制約が芸術にどう影響するかについての記述は興味深かったのだが。2015/02/13

garnet_05

1
芸術でやっかいなことは、その時代に、あるいは数世代にわたっても、芸術として成功するものかどうかわからないことであろう。数学の考え方と同じようなことが、芸術作品に関しても言える。(中略)マネーが彼の作品《オリンピア》のことで悪口を言われたと同じように、ロシア系デンマーク人の数学者ゲオルグ・カントールはその無限大に関する考えかたのために嘲笑された。両者が分かちあえる慰めは"'反対'は'賛成'よりも先にやってくる"というピカソの言葉に集約されるであろう。本文より引用。2014/02/09

ピリカ・ラザンギ

0
タイトル通りなのだが、別に数式が出てくるわけではない。ちょっと出てくるけど。それよりも、数学(など)が芸術に与えた影響についてや作品の数学的な解説。数学者が求める真理と芸術家が求める美。透視図法や、キュビズム、もっと数学的な表現(例えば線形代数やベクトル的な)を空間に表現したものまで幅広い。エッシャー的な空間を超越したものから、表紙のような錯視について。黄金比比からモジュール論。作者の表現は直接的な言葉より、示唆するような言葉が多い気がするので、多少数学的な知識があったほうがわかりやすいと思う。2012/01/17

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