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内容説明
作者は本書で、昭和前期を過去の歴史とは扱っていない。松岡洋右を通して外交とは何か、日本人の外交とはどんなものであったかを検証しているのである。そして、その検証から浮かび上がってくるさまざまな問題点は、現代日本の外交の問題とも密接につながっている。
目次
第1章 サイレント・パートナー
第2章 アメリカ育ち
第3章 辛亥革命
第4章 外務省を去って
第5章 十字架演説
第6章 ヒットラー登場
第7章 貴公子近衛
第8章 大陸の戦火
第9章 欧州の戦雲
第10章 運命の同盟
第11章 夕陽と怒濤
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
糜竺(びじく)
40
松岡洋右という異色の外交政治家を通じて、特に第一次世界大戦後から第二次世界大戦の開始までを見つめた歴史小説です。読みがいがあり、知らなかった面も多々あったので、とても勉強にもなりました。国際連盟の脱退、日中戦争の勃発、三国同盟の締結、について主に詳しく描かれていましたが、様々な色んな背景や状況が怒濤のように押し寄せてきて、この時代の目まぐるしさには驚かされました。また、三国同盟を巡って、ヒットラーやムッソリーニ、スターリンなど、当時の著名な人物も登場し、その頃の世界情勢についてもよく分かりました。2017/06/19
James Hayashi
27
もちろん松岡洋右に焦点を当てているが、世界史を読むように彼の人生を知る。全編の4分の1程は世界史関連。彼が生きた時代がそうだが、2つの世界大戦の狭間の難しい国際関係を外務官として見事にハンドルしている。ムッソリーニ、ヒットラー、スターリンとの交渉。国際連盟でのスピーチ。同盟や条約の締結。名前は知っていたが、これ程芯のある外交官とは知らなかった。小村寿太郎を静とすれば松岡は動。結果的に戦争回避はできなかったが、彼の存在は大きいと思われる。続く→2017/09/03
玩情遊世・徹理観界
4
無知な群衆は大発生したイナゴのようなものである。最初の小さな流れが奔流となると、引き返す事ができなくなる。また、流れの方向の成否は、対外関係から導かれる結果論でしか分からない(軍部の暴走は、当時の状況で起こってもおかしくないだけの理由もあったのだ)。 大きな流れにありながらも、軌道修正、時に引き返す事ができる仕組みが必要であるが、政府権限の及ばない統帥権、更に陸軍省、参謀本部、現地軍の間ですら統制が取れないガバナンス不在では、外交どころではなく、また外交に長けた列強のなかで日本の体制は余りにも稚拙すぎた。2015/10/21




