感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
97
絵本作家としての佐野洋子さんしか知らなかったのはもったいなかったな。いろんな人が多角的に佐野さんを語り、対談、単行本未収録のエッセイ、さらに最初の夫との間にできた息子(広瀬弦氏)と二番目の夫(谷川俊太郎氏)の対談まで収録されている。身近な男性二人の話からは烈しい女性像が伝わってくる。角田光代さんは「佐野さんのように素っ裸で生きたい」と書き、川上弘美さんは「優しさなんておかしいぜという気持ちになる」と記し、西原理恵子さんは「絶望を出発点とする同志」と共感する。岸田今日子さんとの〈母親対談〉は深かった。2015/07/21
takaC
70
手に入れてから5年近くも放置してしまったがようやく完読できた。各方面からの追悼も、単行本未収録コレクション・対談・鼎談も、弦さんの結尾もすべてまるまる満足で、出費 ¥1,260 に後悔なしの一冊だった。2016/02/21
え
20
特別対談 谷川俊太郎(離婚した前夫)×広瀬弦(前々夫との子)という、ドキッとする、やつ。でも、ゆったりと交わされる言葉が、出会ってから過ごした時間の長さ、または濃さ、または淡さを感じさせて、いいのです。巻頭のアルバムは佐野さんの笑い顔が、いい。この本、まだ買えて、本当に良かった!\Amazonさんありがとう/繰り返し読みます。どこで区切っても涙がでるのです。【私も死ねば「いい人だったね」と皆思ってくれるのだろうか。死んだらそれも自分にはわからないのだからつまらない。】巻末の手書き原稿より。寂しいよ。2014/10/02
Maiラピ
15
完読するのにすっごい日にちがかかった本。岸田今日子さんとの対談が興味深くて。。。なんだかいろいろ考えてしまいました。母であるっていうか、母であった佐野さんと岸田さん。佐野洋子さん、豪放でいて繊細、まさにそのとおり。2011/07/03
はしけん
14
約1年前、高峰秀子と佐野洋子の2人のエッセイスト(2人とも別の肩書があるが)が亡くなった。2人とも「母」に対する姿勢が辛辣ではあるが、心地よいリズムと薬味(毒?)の利いた文が心地よかった。佐野作品との出会いは学生時代のバイト先から出てた書籍。当時は、あんな文書いてんのに絵本も描くの!って、ちょっと驚いてた。内田春菊には僻々、西原理恵子もちょっと食傷ぎみの私としては、佐野さんの新しいエッセイが読めないのが残念。本誌の「私はダメな母親だった」は、いかもも佐野さんらしい。今まで楽しませくれてありがとう。2012/02/17