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Kawade mystery
ナツメグの味

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  • サイズ B6判/ページ数 303p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309801063
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

マネキン人形に恋した青年、幸せな夫婦を脅かす怪鳥、夜の百貨店に巣くう影のような人々。悪魔的な笑いと奇想に満ちた異色短篇傑作集。

著者等紹介

コリア,ジョン[コリア,ジョン][Collier,John]
1901‐1980。イギリスの作家。ロンドンの名家に生まれ、若くして詩人を志し、滞英中の西脇順三郎とも交友があった。1920年代に短篇を書き始め、奇想小説『モンキー・ワイフ』(30)で批評家の注目を集める。その後アメリカに渡り、「ニューヨーカー」等の一流誌に作品を発表、短篇作家として地位を固める。40年代にはハリウッドで映画の脚本に専念、ジョン・ヒューストン「アフリカの女王」(51)にも関わった。自選短篇集《Fancies and Goodnights》(51)でMWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞、国際幻想文学賞を受賞。その洗練された文章、鋭い人間観察と奔放な奇想、ときに残酷なまでのユーモアは、ダール、エリンらの「異色作家」に先駆けている

小池滋[コイケシゲル]
東京大学文学部博士課程修了

垂野創一郎[タルノソウイチロウ]
東京大学理学部数学科卒

和爾桃子[ワニモモコ]
慶應義塾大学文学部中退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ワッピー

42
久々のジョン・コリア。狂気と疾走感あふれる前半の収録作品に対し、中盤から徐々に罠が閉じていくゆるやかな破滅へ、そして後半はにこやかな悪意へと作風が変わっている印象。特に悪魔ものはいずれもウィットが効いています。破滅への道を進む主人公たちは、いうなれば自業自得であり、同情の念を感じる必要もなく、ニヤリと笑って本を閉じられる後腐れのなさが魅力です。とりわけ印象的だったのは、ややSF風味の「魔王とジョージーとロージー」、相席になった雄大なる紳士「ひめやかに甲虫は歩む」で、巻末のコリア略伝まで大いに愉しみました。2022/10/19

藤月はな(灯れ松明の火)

36
とある矜持があるからの侮蔑と嘲笑溢れる表題作や『夜だ!パリだ!青春だ!見ろ、月も出ている!』の題名や無邪気な悪意も素敵。『瓶詰パーティ』の妄想だけが肥大した能力の足らない男の虚栄心と瓶に詰められた魔人と美女の策略のギャップが笑いを誘います。また、『猛禽』の知らぬはお人好しの・・・・とばかりの毒溢れる可能性の提示ににんまりしつつ、見事に仮の主人を死に追いやった黒い鸚鵡の正体はあっと云わされます。後、『宵町草』の視点も江戸川乱歩の小説のある共通点を知っている人なら少しは恐怖とブラックユーモアで楽しめるかも。2013/10/06

内島菫

28
「遅すぎた来訪」が最も好みで、内田百閒の「とほぼえ」を連想した(映画『シックス・センス』のオチもこの系統)。私は世界がぐるりと半回転(あるいは一回転して元に戻ってもいいけれど)するようないわば勘違いや勘違いを誘い、ぽんと見たこともない余白に放り出されるタイプの話が好きなようだ。「宵待草」は、広くて何でもある百貨店にはもしかしたらこっそり住めるのではないかというある種の希望を形にしたものだが、そんな甘い幻想で終わるはずもない。2019/01/24

紫羊

24
表題作の「ナツメグの味」が一番気味悪かった。妙にリアリティがあって思わず背中がゾクッとした。他の作品もそれぞれに奇妙な味わいがあった。2017/04/30

紅はこべ

14
悪意、怪奇、恐怖、幻想、ユーモア、様々な要素に満ちた異色作家。悪魔を扱った作品が気に入った。2008/04/09

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