感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イタロー
3
大長編小説『アレクサンドリア四重奏』の最終巻。読み終わった瞬間、うわーッとなった。感情の渦のような、空白のようなものに襲われて、クラクラっときた。構成も文章も思考も織り紡がれ繰り広げられるアラベスク全てが脳髄をガツンと刺激する、古都アレクサンドリアで語られる猥褻で絢爛たる物語。四巻どれも美しく残酷で死の匂いが漂っている。だからこそのこの素晴らしい見事なクライマックスと完璧な結末。なかなか出会えない常に充実した読書体験だった。この小説に出会えてよかった。思わずまた一巻目をひっぱりだしてパラパラめくってみた。2023/04/11