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河出ブックス
法とは何か―法思想史入門

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  • サイズ B6判/ページ数 231,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784309624334
  • NDC分類 321.2
  • Cコード C0332

内容説明

私たちは、生きていく上で多くのことがらを自分で判断して行動する。一方で、憲法改正や税制から、交通規則や婚姻制度まで、社会全体として答えを出さなくてはならないことがらについては、法に照らして考えようとする。しかし、なぜ法に従うのか。そもそも法とは何なのか。国家の権威や法の力、立法のしくみや民主政の意義について、近代国家成立以降に先人たちが唱えてきた法思想の系譜を読み解きながら、法とともにいかに生きるべきかを問う。法を自らの問題としてとらえ直すことができる、はじめの一冊として最適の書。

目次

法はあなたにとってどういう存在か
第1部 国家はどのように考えられてきたか(何のための国家か;平和と自己防衛を目指す国家―トマス・ホッブズ;個人の権利を保障する国家―ジョン・ロック;自由を保全する国家―ジャン・ジャック・ルソー;永遠に完成しない国家―イヌマエル・カント;人々がともに生きるための立憲主義)
第2部 国家と法の結びつきは人々の判断にどう影響するか(法の規範性と強制力―ケルゼンとハート;法と道徳の関係―ハートとドゥオーキン;法が法として機能する条件;法と国家―どちらが先か)
第3部 民主的に立法することがなぜよいのか(なぜ多数決か;民主政の過去から学ぶ)
法に従う義務はあるか

著者等紹介

長谷部恭男[ハセベヤスオ]
1956年、広島県生まれ。東京大学法学部卒業。現在、東京大学法学部教授。専門は憲法学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

masabi

13
法とは何かを哲学者、法哲学者の言説から探っていく。ケルゼン、ハート、ドゥオーキンの考えが多少なりとも分かって良かった。他の著作についても読んでみたい。2015/07/25

白義

9
長谷部版サンデル「これからの正義の話をしよう」って感じ。法哲学史を参照しながら、国家や民主主義とは何かを語り、そして法とは何かを探っていく。これ一冊でホッブズからドゥオーキンまで、法思想とその歴史はかなり抑えられる。分かりやすいが内容は研究の蓄積を活かし、かなり高度。萱野「国家とは何か」とセットで読めば、ほぼ的確な国家とその機能への見通しが得られるだろう2012/01/22

またの名

8
『星の王子さま』から説き起こす「ですます」調スタイルが、他所で長谷部氏が書くときの物凄く肩が凝る堅物文体と違って驚き。それほど解りやすい文章ながらもホッブズ、ロック、ルソー、カント(国家論)、ケルゼン、ハート、ドゥオーキン(法思想)、アリストテレス、プラトン(民主政)ら重量級の思想家を文献解題を添えて適切に紹介。法の本なのに冒頭から長々と国家についての思想を語り古代の政治哲学で締めくくるのは、法を守るべき正当な理由がないのに守らなければいけないのかをソクラテスの死刑以来考えてきた思想の流れに忠実だから。2015/09/10

takizawa

5
国家の主要な任務を調整問題の解決と公共財の提供にあるとしたうえで,比較不能で多様な価値観を持つ人々が平和に共存することを目指すリベラリズムの憲法観をベースにした法哲学(法思想史)入門書。新しい発見があったりこんなに分かりやすく説明できるのかと驚いたり。小咄が面白い。2011/09/16

K.H.

4
副題「法思想史入門」の通り、法に従わなければならないのはなぜか、法が実効性を持つのはなぜかという点を主とした思想史の紹介。普段当然視している法にも、こんなに豊富な論点があったのかと目が覚める思いで読んだ。ハートやドゥオーキンをめぐる話は難しかったけれど。こうして見ると、厳密さが要求される法もその存立基盤は案外曖昧なところがある。本棚を確認したらケルゼンとハートの本があったので、折を見て読んでみよう。2021/09/23

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