内容説明
日本に未来はあるのか?この国で生きていくために、我々は何をすべきか?多彩な活躍で注目され続ける論客二人が、近代日本を築いた先人たちの葛藤を振り返り、共同体に求められる新しい形を追究する。今までの日本観を根底から問い直す、日本論の決定版。巻末に文庫版特別対談を収録。
目次
第1章(地方;熊本;天皇)
第2章(右翼;保守;民族)
第3章(文学;戦後;根拠)
追加対談 未来
著者等紹介
姜尚中[カンサンジュン]
1950年、熊本県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。現在、東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授。専攻は政治学、政治思想史
中島岳志[ナカジマタケシ]
1975年、大阪府生まれ。大阪外国語大学(ヒンディー語専攻)卒業。京都大学大学院博士課程修了。現在、北海道大学公共政策大学院准教授。専攻はアジア思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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i-miya
48
2013.11.04(初読)羌尚中・中島岳志著。 2013.11.01 (カバー) 日本に未来はあるのか。 何をなすべきか。 論客2人。 近代日本築いた先人の葛藤。 共同体に求められる新しい形、追及。 (羌尚中) 1950、熊本生まれ、早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了、東京大学大学院教授。 右翼-空洞化。 中国や韓国をバッシングするだけの手軽な「ウヨク」へと成り果てる。 第1章、熊本。 ◎松岡勝利氏の死-鈴木宗男氏の生。 2013/11/04
mm
18
ネオリベが大手を振って歩いていた2007年の対談。金の力、弱肉強食の新自由主義理論に屈することなく、パトリやエートスを内包する生きる場所を定着させなくては生きていけないという熱い話。社会的包括という概念を形や概念からではなく、歴史を振り返ることでトポスの再構築を行うことを目指している。保守vs革新・右派vs左派という枠組みでは捉えきれないねじれは、明治維新の時からだんだんよれてきて、今ではかなりもつれている状況を、解きほぐしてくれるんだけど、知らない固有名詞が多くて…うまく把握できずに申し訳ない。→2020/11/03
浅香山三郎
18
日本近代と、「保守」や「愛国」の関係を論じる。地方と都市、記号としての天皇などの座標軸、八紘一宇とオールド・リベラリズム等思想の比較を通じ、もともと多様な「保守」や「愛国」のあり方(思想潮流)があつたことが示される。文庫化に際しての追加対談「未来」の章でも言及されてゐる如く、シニシズムと断言型の政治家が好まれる状況(ヤン=ヴェルナー・ミュラーの言ひ方ならば「反多元主義」)が、ずつと続いてゐる。本書は、現行の「保守」や「愛国」の形の近代における位置取りをまう一度よく知る為のよい足がかりになるだらうと思ふ。2019/02/09
樋口佳之
14
アジア主義関係で読んでみました。お二人ともテレビでコメンテーターとして話している時とは別人のような議論。/特に、アジア連帯とアジア侵略が紙一重というか、そこの関係を、見ていかないといけない。/これはアジア主義に限定されないお話とも受け止め/2017/09/26
雨巫女。@新潮部
11
《私‐図書館》こんなに熊本の話や、近所での話がでてくるとは、内容は、読むのが、やっとこさでした。(笑)2011/12/02