内容説明
悲しいのに、幸せな気持ちにもなれるのだ―。七年前、二十五才という若さであっけなく亡くなってしまった一樹。結婚からたった二年で遺されてしまった嫁テツコと、一緒に暮らし続ける一樹の父・ギフは、まわりの人々とともにゆるゆると彼の死を受け入れていく。なにげない日々の中にちりばめられた、「コトバ」の力がじんわり心にしみてくる人気脚本家がはじめて綴った連作長編小説。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
1438
2014年本屋大賞第二位。木皿泉という作家は著名な脚本家らしいが、読んでいて、本当に心が暖まるような雰囲気を持つ本だった。7年前、25才という若さでこの世を去った一樹…残されたテツ子とギフが交わすやりとりは 心がやわらぐ。「大切な人がなくなるということ」…そのことが周りの人に与える哀しみと喪失感、そして時間がその隙間を埋めていく…複数個のエピソードが絡み合いながら、読者に安らぎを与えてくれ、言葉が持つ温かみを実感できる…そんな素敵な短編集だった。2014/08/09
風眠
1151
毎日どこかで人は死んでいくし、生活も続いていく。生きていくという営みの中に見え隠れする「死」というもの。何気ない会話、何気ない日常の中にある「死」。それでも想い出は時に笑顔を連れてくる。若くして夫を亡くしたテツコと、夫の父ギフとの生活。依存しあうということではなく、想い出を共有するように同居を続けているふたり。じんわりと温かい文体だけれど、書かれてはいない余白に切なさを感じる深みがある。テツコとギフを取り巻く登場人物たちが語る言葉にも、グッとさせられる名言がたくさんあり、なるほど脚本家の書いた小説と思う。2014/07/06
抹茶モナカ
1058
天気予報士のギフと義理の娘テツコの生活を中心に、再生されて行く生活や心を描く連作短編集。ほっこりする本。テツコの婚約者の岩井さんも良い感じ。ぬるま湯のような温度で進む中、時折、人生の厳しさも描かれる。2014/09/27
にいにい
860
初木皿泉さん。幸せな気持ちは、どうゆう状況で感じるのか?人それぞれだろうけど、この作品は、緩やかな時間の流れの中で、変わってしまう事、変えたくない事、変わるべき事が混ざり合い、やさしく包んでくれる。「世の中、あなたが思っているほど怖くないよ。大丈夫」という言葉が素晴しい。登場人物の生き方が筋が通っていて、それぞれ素敵だ。ほっこりする一冊。パンの飼い主との出逢いもいい!!!2014/10/12
takaC
784
三話目を読み始めるまで短編集だと思って読んでいたが長編だった。スラスラ読めるけど結構奥深い。最後まで読まないと意味が分からないタイトルは捻り過ぎで不発かも。2015/02/25