出版社内容情報
日々「従う」「従わない」を繰り返している私たち。なぜ自分がそう判断したかをじっくり考えてみよう。考える大切さを教える書。
内容説明
わたしたちは、いつも何かにしたがって暮らしています。親や先生、規則や法律に。あまり考えずにしたがっているときはないですか?考えずにしたがうことと、考えたうえでしたがうことでは大きくちがう―よく考えてみましょう。本当にしたがわないといけない?
目次
親にはしたがわなくてはならないの?
暴君が生まれるのは、もしかして服従する人たちがいるから…?
なぜしたがうの?どこまでしたがうの?
人々が立ち上がるとき
著者等紹介
ジェラール,ヴァレリー[ジェラール,ヴァレリー] [G´erard,Val´erie]
哲学の教師。倫理と政治哲学の研究をして、シモーヌ・ヴェイユやハンナ・アーレントについての記事も書いている
ポール,クレマン[ポール,クレマン] [Paurd,Cl´ement]
フランス北東部の町、ストラスブールの装飾美術学校を卒業。2009年にフランス西部の町、アングレームの国際漫画祭で新人賞を受賞。雑誌『Belles Illustrations(美しいイラスト)』の発起人のひとりでもある
伏見操[フシミミサオ]
1970年生まれ。英語、フランス語の翻訳をしながら、東京都に暮らす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
min2
16
高校時代の倫理の時間を思い出しました。子供を服従者にしてはいけない、親が支配してはいけないと再認識しました。一番胸に響いた言葉ー民に自分たちが無力だと思わせ続けること。それが支配者のもっとも好きな手口だ(シモーヌ・ヴェイユ)2016/06/17
よしか
4
p27子どもが親のいうことをききながらも、自分の頭で判断することを学ぶため、また他人の言いなりになるのになれて、そらをあたりまえと感じるのをさけるためには、だれかの気まぐれにしだわされていると、子どもに感じさせることなく、導かなくてはならない。つまり子どもが「自分は世の中の道理にしたがっているのであり、親や先生といった個人の意志にしたがっているのではないのだ」と納得できるようにすることが必要なのだ、と。
さとこ
2
図書館本。最近反抗期デビューした子にと思い借りてきたが、中身が気になり先に読んでみた。いつでも革命運動に参加出来そうな気分(しないけど)。左ページにちょくちょく現れる格言ページが煩わしかったけど、忘れていた自分自身の誇り、自由の大切さ、色々と響く言葉が多かった。2021/05/30
モリー
2
人は何故、独裁者に服従してしまうのか等、従うことについて、哲学者たちの考察を紹介しつつ、従うか従わないかをどう判断するべきか手がかりを与えてくれる本でした。「民に自分たちが無力だと思わせ続けること。それが支配者のもっとも好きな手口だ。」というシモーヌ・ヴェイユの言葉が心に響きました。虐げられた人々は、自分を無力だと思うことで、さらに弱くなる。独裁者や暴君はその事を熟知しているのだろう。「もし民衆がつねに受け身でいたら、政府や統治者は何をしてもゆるされると思いこんでしまう。」と著者は警鐘を鳴らしている。
torajgrou
1
とてもわかり易く書かれていて、読みやすかった。日本人は、どうしても「お上」や「泣く子と地頭には勝てぬ」とか「親に従え」という風潮があるが、なぜ従うのかを考えることは必要だと思った。