出版社内容情報
トキのキンちゃんは宇治さんが見守るうちに、手からエサを食べるようになった。しかしやがて…。日本最後のトキの生涯を描く
内容説明
日本さいごのトキ・キンちゃんの記録はたくさん残っています。この絵本では「キンちゃんと金太郎さん」に焦点をしぼって描いています。「ニッポニア・ニッポン」の学名にふさわしいキンちゃん、そして宇治金太郎さんの深い愛情…日本さいごのトキの生涯。
著者等紹介
いもとようこ[イモトヨウコ]
兵庫県生まれ。金沢美術工芸大学油絵科卒。『ねこの絵本』(講談社)『そばのはなさいたひ』(佼成出版社)で、ボローニャ国際児童図書展エルバ賞2年連続受賞。『いもとようこ うたの絵本(1)』(講談社)で同展グラフィック賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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小夜風
28
【小学校】日本最後のトキ、キンちゃんのお話。保護のために捕獲され、36年間空を飛ばず…最後の最後に突然飛翔し、ケージの扉に衝突して亡くなったとか…あんまり悲し過ぎて、読後しばし呆然としてしまいました。本を読んでいると「朱鷺色」という言葉に出会うことがあります。もう、日本人は本当の朱鷺色を見ることは出来ないんだな…と胸が苦しくなりました。2015/02/22
定年(還暦)の雨巫女。
15
《図書館》絶滅を防ぐための保護は、キンちゃんには、苦痛だったんじゃないか。キンちゃん一羽に押し付けたんではないか。2011/05/21
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
8
日本最後ののトキ(学名はニッポニア・ニッポン)のキンちゃんを、保護するよう託された宇治金太郎さんのノンフィクション。2023/04/05
鈴
8
読友雨巫女さんご紹介本。これはオススメ。読むべき本。最後のトキ、キンちゃんの実話。そもそもトキを絶滅に追いやったのは人間なのに、保護目的とは言え、結局最後のキンちゃんも幸せにはしてあげられなかった。キンちゃんに大空をもう一度飛ばせてあげたかった。2011/08/15
紅花
5
全て人間のエゴ。そのエゴに抵抗しようとした金太郎さんの優しさと悲しみ。30年以上も檻に入れられたキンちゃん。まるで、何かを訴えるようなキンちゃんの最後。娘を泣かせてしまった。トキを保護するなら、何故もっと数のあるうちに、野生のまま保護できなかったの?(保護活動をしている方には申し訳ないが・・)何のためのキンちゃんの捕獲だったのか?人間の愚かさを感じる。図書館でざっと見たときは、トキの保護を紹介する社会科的な本かと思っていたけど、命を考える素晴らしい本でした。2014/02/19