出版社内容情報
光とともに出現する謎の人物クィン氏とサタースウェイト老人コンビの短篇「海からきた男」「死せる道化師」の2編を収録。 小学生高学年から
内容説明
サタースウェート氏には、クィン氏という、とてもふしぎな友人がいました。クィン氏がいるだけで、奇妙な事実が明るみにだされ、かくされてきた真相が浮かびあがってくる―崖の突端に、〈平和荘〉と呼ばれる白い家がありました。ここの女主人と、崖にやってきた見知らぬ男は、偶然にも、それぞれの理由から自殺しようとしていました。そのとき、まるで海からあらわれたように、いきなり出現したのがクィン氏でした…。表題作のほかに、謎の人物クィン氏が、一枚の絵にかくされた、おどろくべき秘密を解き明かす「死せる道化師」を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぴよぴよ
3
謎の人物クィン氏とその友人サタースウェート卿の周りに起きた話。自殺を止める言葉が印象的。「世界にとって、あなた個人はそれほど重要ではないが、ある特別な場所ではあなたが想像できないほど重要な存在」自分がそこにいた。それだけで、自殺しようと来た人が諦めて帰るかもしれない。すべての人の存在に意味がある。2012/05/02
まきんぼ
1
『自分の生命は自分のもの、とおっしゃる。しかし、それでは、神が演出なさる壮大な劇で、あなた自身が演じる役から降りてしまうことになります。その劇では、あなたは最後まで一言もセリフがないかもしれない ほんの端役で、つまらない通行人の役かもしれない。しかし、もし、あなたが他の役者に合図を送らなければ、劇の進行が狂ってしまう。劇そのものがぶちこわしになるかもしれない』(海からきた男) 始めの犬の死の描写が印象的。2013/11/08
みかん
0
海からきた男・死せる道化師2015/12/20
遠藤三春
0
海からきた男、死せる道化師の2篇。面白かった。そこにいると今まで真相がわからなかったことを明るみにさせる力があるハーリクィン氏と、その探偵役になるサマースウェート老人。幻想ミステリーとでもいうような印象。物語の始まりから思わぬ方へ話が進み、綺麗にまとめられる物語はさすがクリスティ。ハーリクィン氏の話もいくつかあるみたいだし、またどこかで出会えたらいいな。2020/11/11