出版社内容情報
春,ふきのとうが芽を出すと,大男の大太郎は思い出すふきは,おとうを殺した青鬼に戦いをいどんだ。その時なだれがおきて… 小学生低学年から
内容説明
ふきのおとうは、木こりの名人だ。おとうが、しごとをしている最中はだいば山の大男・大太郎と、せっせっせをしたり、のしろの町の話をして、あそんでいた。あるとき、でんでろ山の青おにが、山をあらしにやってきた。ふきのおとうが、たちむかったが、青おににやられてしまった。ふきは、おとうのかたきの青おにに、たたかいをいどんだ。そのとき、なだれがおきて、ふきは青おにもろとも…。―だから大男の大太郎は、春をまちかねているのに、春がきらいだ。春になってふきのとうが芽をだすと、ふきのことをおもって、なくのをがまんしているんだ。大男がなくのは、みっともないからな。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
魚京童!
25
青鬼からすると辛いな。2015/03/28
浅葱@
23
知っている話なのに、読んだら泣けてきて涙がぽたぽたです。幸せなふきと大太郎だったのに、青鬼は山を荒らし回り父を目の前で殺した。ふきの覚悟と大太郎の必死さが切なくて、悲しくて。今年の秋田は大雪。滝平二郎さんの切り絵と風景がぴったり重なり、ふきが起こした雪崩が見えるようです。迫力がありました。大太郎が見つけたバッケ(ふきのとう)が雪から顔を出したのが光っていてまた悲しくなったけれど、不思議にお日様の下の物語でした。2013/02/26
たーちゃん
22
息子は途中で「怖い怖い」と私の後ろに隠れていました。なんとも悲しくて切ないお話。ふきのとうを見ると私もこのふきのことを思い出しそうです。そして息子とベッドで寝ようとしていたら、暗闇の中で息子がクスンクスンと泣き始めました。どうしたのか聞くと息子は「さっき絵本で読んだ死ぬこと思い出しちゃった」と言っていて、なかなか子供には強烈な印象を与えたようです。2023/01/06
けんちゃん
21
読友さんのご紹介本。斎藤隆介さんと滝平二郎さんのコラボ作品ですが、これは知らなかったです。山男の大太郎とふきの穏やかな会話から始まるお話、父の敵を取る為に青鬼に立ち向かうふきの激しさ、大太郎の優しさと悲しみ、気持ちを揺さぶられました。光り輝くようなふきのとうは、大太郎の心の花なのかな。切ないお話でした。2012/09/15
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
19
地元にはなく未読だった斎藤隆介&滝平二郎さんの絵本。秋田の北のはずれ、だいば山に住む大男の大太郎が、春を待ちかねながらも春が嫌いな、悲しい理由が書かれています。2019/11/12